早めに知っておきたい!養育費の金額と支払い期間について
子連れの離婚に向けて、大きな不安がある皆さん。
何が不安って、離婚後の生活にかかるお金のことが、一番不安になりませんか?
子どもと暮らしたい、子どもを育てたい皆さんは、「親権者」になることを選択するかと思います。しかし離婚をすると、子供の世話に加え、「衣食住」全てに必要なお金が、何十万と片親の肩にのしかかります。
特に現在、フルタイムで働いていない、パートや、専業主婦の方は、そのことを考えただけで気が遠くなり、離婚自体を躊躇してしまうのではないでしょうか。
そんな皆さんにお話ししたいのが、「養育費」のことです。
養育費は、離婚後の子供の生活を安定させるための制度の一つです。
聞いたことはあるけど、良く分からない方。また、その相場が気になる方のために、私の経験談を交えて、お話したいと思います。
養育費とは?
【 誰が払うの?養育費 】
赤ちゃんが、成長して成人し、社会にでるまでに必要な費用のことを、養育費と言います。
生きていく上で必要な、衣食住にかかる費用以外にも、学校や、病院にかかるお金も含まれます。
離婚した場合は、子供を養育する「親権者」ではない方が、支払うのが一般的です。
(離婚時に、もし夫婦の間で「離婚後に金銭のやり取りはしない」と、決めていたとしても、養育費は子どものためのお金なので、必要となった時には子供から親へ、請求することも可能です)
養育費は誰が決める?
【 養育費の金額の決め方は? 】
それでは、養育費の金額は、誰がどうやって決めるのでしょうか?
実は、それぞれのご夫婦の話し合い次第となります。ご家庭によって、収入や環境も異なりますので、一概に決められないのです。
月々に3万円でも、5万円でも、年に50万円でも、200万円でも、間違いではないのです。
養育費の金額は夫の意見重視!
我が家では、この養育費の金額は、穏便に話し合いで決めました。
基準になったのは、離婚となる前の「生活費」の金額です。離婚前は毎月、一定額を夫の給料から頂いていたので、そこから月々にしていた貯金や、生命保険の金額などを省いて検討しました。
我が家で決めた、リアルな数字をお伝えしますと、養育費は、子ども1人あたり3万円。
「月に9万円」と決めました。
離婚時、夫は正社員勤務で、私は無職だったため、衣食住にかかるお金を考えると、子供3人分としては少なく感じました。しかし、養育費は1回、2回の事ではなく、毎月の支払が20年(子供が成人するまで)続く金額ですので、大事なのは支払いが続くことです。ここは、無理な金額にはせず、夫の意向に沿いました。
その後、私が働き始めてからは、養育費は月に6万円に変更しました。
この減額の意向は、夫ではなく、私から言い出したことです。「仕事を始めたので、来月からは養育費を減額して、月に6万円で良いよ」と伝えました。すると、遠慮なく翌月から、減額して養育費が振り込みされるようになりました。
『貰えるものは貰っとけばいいのに』というご意見の方も、いらっしゃると思います。しかし、やはりお互い無理なく、子供の為にも、良い協力関係でいるためには、できる時に、できる譲歩はしておいた方が良いかと思います。
いつ、どちらが倒れたり、入院したりするかは分かりません。イレギュラーな事態が起きても、快く対応してもらえるように、私は元夫に正直でいたいと考えています。
話し合いで決着つかず?!裁判所でも使われる養育費算定表とは
離婚後もこのように連絡の取れる相手なら、夫婦お互いの収入や、状況(失職や就職、再婚、入院など)、また、子どもの年齢の変化により、相談して金額を随時変更していくことも可能です。また、公正証書を作る場合には、その旨を記載することもできます。
このように、我が家では、夫婦間では揉めることなく、スムーズに養育費の金額が決まりました。
しかし中には、話し合いに決着がつかないご家庭もあるでしょう。そのような場合の為に、裁判所が作った「養育費算定表」というものがあります。
参考:東京家庭裁判所 養育費・婚姻費用算定表
この養育費算定表は、夫婦の年収、子どもの人数、子供の年齢によって、細かく金額が設定されています。
離婚後、親権者になるのは、母親の方が多いと思うのですが、ご自分の年収が0円の方ほど、「どのくらい貰えるのかな?」とご心配かと思います。
そこで、ここでは、親権者の収入が0円で、支払い義務者の年収が400万円(日本人の平均年収)の場合を、抜粋してお伝えしたいと思います。
【養育費算定表より】
●支払い義務者 年収400万円
子ども・1人(0~14歳)→4~6万円
子ども・2人(0~14歳)→6~8万円
子ども・3人(0~14歳)→6~8万円
子ども・1人(15~19歳)→6~8万円
子ども・2人(15~19歳)→8~10万円
子ども・3人(15~19歳)→8~10万円
このように、子どもの人数(1~3人)と、子どもの年齢(0~14歳)(15~19歳)によって、細かく金額が分かれています。
また、第一子が15歳で、第二子が10歳という場合でも、金額が変わってきます。
【 養育費の支払い期間は? 】
最も多い養育費の支払い期間は、20歳までです。
裁判になった場合も、原則として20歳までとされます。なぜなら、20歳で成人とされるからです。逆に、18歳だったとしても、結婚すると成人とみなされるので、この場合は、支払い義務は終了します。
離婚時の話し合いにより、支払い期間を20歳に限らないケースもあります。
高校卒業後、子どもが社会に出る前提で、18歳の3月までというケース。他にも、大学卒業するまでとして、22歳の3月までとするケースがあります。
我が家の場合は、養育費の支払い期間を、18歳の3月までと決めました。ただ、子どもが大学を志望することも十分に考えられます。万が一の時には、期間の延長をするか、その時に話し合う予定です。
ちなみに離婚時に、すでに大学に通わせている時には、大学を卒業するまでの支払い義務が生じる場合が多いそうです。
【 養育費の支払いはどんな方法がある? 】
一般的な養育費の支払い方法は、毎月決まった額を「振込」してもらう形かと思います。
毎月払いが続くか心配な方は、まとめて1回払いという方法もあります。
振込手数料が勿体ないからと言っても、「手渡し」は、離婚後の夫婦には、現実的ではありませんよね。「郵送」という方法もありますが、手間がかかってしまいます。
支払い義務者も、給料が出れば銀行に毎月行くことが想定されますよね。そこで、その給料が振込される銀行口座に、自分(親権者)も口座を作り、振り込みして貰うのが、一番スムーズな方法かと思います。
手間がかかると、不払いのリスクも高まります。一般的に「振込」は、口座番号や電話番号など、ATMでも入力することが多く、手間のかかるイメージです。そこで、その手間を少しでも軽減できるよう、事前に「振込カード」を作成し、支払い義務者に渡しておく方法もあります。
また、振込手数料に関してですが、銀行により、「同じ銀行の、同じ支店宛」なら、振込手数料無料な場合があります。
そして、支払い側も、受け取り側も、「ゆうちょ銀行」ですと、支店を気にすることなく、全国どこでも、月に3回まで送金手数料が無料です。そのため、「振込手数料が勿体ない」という方にはお勧めですよ。1回ずつは少額と思う手数料でも、長い目で見ると、振込手数料も高額になってしまいます。
【 銀行手数料:0歳~20歳まで振込みをした場合】
例1)手数料108円の場合×12か月×20年=25920円
例2)手数料324円の場合×12か月×20年=77760円
【 振込先に工夫すれば支払い継続につながる! 】
そして、養育費の振込先の設定ですが、ここに重要なポイントがあると思います。
一般的には、元夫→元妻のように、親権者名義の口座とすることが、多いと思います。しかし、離婚した相手宛に振り込むのは、後々、離婚相手に、自分が働いて稼いだ貴重なお金を搾取されているようで、嫌になってくる可能性もあります。
そこで我が家では、振込先を「子ども名義の口座」にしています。
養育費は、子供の為に支払われ、子どもの生活を支えているものです。その意味を、元夫に忘れさせない為にも、私は、養育費の振込先を、「子ども」名義にしておくと、効果的なのではないかと考えているからです。
子どもの生活を安定させる養育費
いかがだったでしょうか?
今回は養育費についてお話しました。
養育費はまず、夫婦の話し合いで決めましょう。話し合いで決まらなかった場合は、養育費算定表を参考にしてみましょう。またその際に、養育費の支払い期間、支払い方法を取り決めておくことが重要です。
そして、養育費の支払い義務者にとって、少しでも負担の少ない方法を、早めに検討しておくこと。それこそが、最終的に、子どもへの養育費支払い継続につながり、親権者にとっても、子どもにとっても、離婚後、安心な生活に向かえるのではないでしょうか。
養育費に関して不安のある方は、是非、参考にしてみてくださいね。
DV夫との間に面会交流の必要はあるのか?「子供にとってのベスト」は裁判所と当事者では違った話
面会交流権とは,子どもと離れて暮らしている親(以下,非監護親といいます)が,子どもと直接会ったり,それ以外の方法(手紙や写真,学校の通知表の送付,プレゼントの受け渡し等)で,親子の交流をする権利のことをいいます。
親である以上,「子どもに会いたい」と思うのは自然のことであり,また,子どもの福祉にも寄与する点があるため,このような権利が認められております。
出典:adire-rikon.jp
このように、子連れでの離婚時には必ず話し合うことになる、子供と親権者ではない非監護親との面会交流について。
離婚をすれば夫婦関係は解消されますが、親子関係が切れることはありません。
夫婦間にどのようなトラブルがあり、どのような原因で離婚したかは子供にとっては重要ではないので、本来は原則としてどのような離婚理由であっても両親は子供の気持ちを尊重した上で会う頻度や時間、内容について取り決めなければならないのです。
しかし私は、離婚当時4歳だった娘に気持ちを問うことすらせず、離婚調停時に元夫にも一応納得してもらった上で、離婚してもう8年近く経過しますが1度も面会交流をもっていません。
当時の娘に尋ねたら、パパに会いたいと言ったかもしれません。
私の勝手な判断でおこなったその決断は、世の中のルール的には間違っているかもしれません。
ですが、元夫が自分の感情をコントロールすることのできず、人を暴力で支配するDV夫だったので、娘への影響を考え、今後一切会わせたくなかったのです。
今回は、離婚後の一般的な面会交流における裁判所の考えに対し、私の個人的な意見を交えて、DV夫と子供の面会交流について考えてみました。
面会交流に一番大切なのは子の福祉
冒頭の「面会交流権」の説明を見ると、一見、この権利が非監護親に与えられているものの様に思えます。
実際に面会を要求できるのは非監護親になりますし、取り決めも両親でおこないます。
それに途中で内容を変更したり、離婚時には面会交流の取り決めをしなかった場合でも、子供の年齢が20歳になるまでは、両親同士でいつでも内容の変更ができるのです。
しかし、民法766条には、
「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」
出典:http://www.moj.go.jp
とあります。
つまり、非監護親がいくら子供を愛していても、面会に関して子供の不利益になると判断されれば面会交流が認められないことになります。
この場合の子供の不利益とは・・・
・面会交流により、子供の生活環境に悪影響を与え、精神的に不安定になるなどの可能性がある場合(場合によっては家庭内暴力や不登校などを起こすことがあるそう)
・非監護親が面会交流の際、子供の前で監護親(親権者)との関係を悪化させようと過剰に非難したり、反対に監護親との暮らしに干渉したり、また、子供を連れ去ってしまう危険がある場合
・別居・離婚の理由が、子供に対する非監護親からの暴力であった場合
など、が当てはまるようです。
要するに、
「面会交流によって、片親に会えない子供の寂しさが和らいで心が安定し、監護親と非監護親それぞれと良好な関係を築け、面会交流が子供にとって有益・必要である場合」
には、この権利を両親の都合で拒否してはなりません。
子供の利益=福祉を守ることが、離婚後の面会交流における最重視事項であると言うことをまずは念頭に置いた上で、続いての話に進みましょう。
なぜDV夫でも面会交流を進められてしまうのか
実は、この面会交流権は離婚理由が夫の妻に対するDVによるものだから、というだけでは、拒否することができません。
何故なら裁判所の考えはこうです。
「夫婦間の離婚原因は、原則的には、面会交流に直接影響を及ぼしません。例えば、夫の妻に対するDVや精神的な虐待が離婚原因だとしても、子に対する暴力などが認められないのであれば、子との面会は実施されるのが原則です。」
出典:www.bengo4.com
むしろ、面会交流をおこなうことで「子供が非監護親へ抱いてしまった負のイメージを払拭し、良いイメージに回復させることができる」のとの理由で、面会交流を進められてしまう場合すらあるのが現状のようです。
まるで裁判所の考えでは、こうすることが間違いなく子供の福祉だとでも言わんばかりに・・・。
これっておかしくないですか?
両親のDVを間近で見ている娘を知っている私からすると、ちょっと無責任で恐ろしい考えだとすら思います。
何故なら世の中では、子供の前でおこなわれるDVは児童虐待に値すると言われています。
現に私の娘は、たった4歳ながら両親のDVによって精神的にかなりのダメージを受けました。
【関連記事】
実体験!DV夫が子供に与えた悪影響6つ…今でも残り続ける傷跡
でも娘の症状は、外や他人には見えない(分からない)ものばかりで、監護親である私しかほとんど知り得ません。
それにもし、仮に私の娘が面会交流をおこなったら、きっとニコニコと表面上は嬉しそうに振る舞う事でしょう。
元夫の機嫌を損ねてはいけないと、本能でそうなってしまうのです。
ですがそれを仮に第三者が見たら、子供が嬉しそうにしている。
これはこの子の福祉のために、今後も面会交流を継続していくべきだと捉えられかねません。
しかも裁判所は、面会交流後のアフターケアなどは一切実施しておらず、判断だけ下したら、本当にその面会が子供にとっての福祉であったか確認できないのです。
この無責任さを恐ろしいと思わない理由があるでしょうか。
私は、DV夫と子供を面会させることは、先ほど子供への不利益として挙げた中の一つ、
「面会交流により、子供の生活環境に悪影響を与え、精神的に不安定になるなどの可能性がある場合(場合によっては家庭内暴力や不登校などを起こすことがあるそう)」
これに該当すると考えます。
私の下した決断、面会交流拒否
実際、離婚調停の時に調停員から、仮に親権を手に入れられたとして、面会交流についてはどうするつもりか尋ねられました。
夫も最初は親権を要求していたこともあり、娘のことは愛していると判断され、会わせるべきではと思われたのでしょう。
私の出したその答えは、即答でNO。
もちろん当時は、まだ追いかけられて暴力を奮われる可能性があり、私と娘は逃げているような立場だったので、今すぐ会うなんて考えが持てるわけがないというのもありました。
しかし、それだけではありません。
夫の要求する親権の背景には、私にびた一文もお金を払いたくないという思いがあり、娘のことは好きではあったでしょうが、離婚を自分に有利に進める為の道具として子供を利用しようとしたのです。
自分の欲求の為なら、そのやり方が道徳に反していても構わない人です。
暴力で弱者を支配する人です。
そんな元夫に娘を会わせるメリットが何一つ感じられませんでした。
ですから、私は娘の意思を無視して面会を断固拒否しました。
「慰謝料も養育費も一銭もいらない。欲しいのは親権だけなので、その代わり今後私たち母娘には一切関わらないで欲しい。」
と。
すると、面会をしないことも親権についても、元夫からあっさり了承してもらえました。
親権を要求していたとは思えないほどの引き下がり具合に、調停員も引いていたくらいです。
終わりに・・・
いかがでしたでしょうか。
今回の記事はDVによる子連れ離婚をした、私の完全に個人的な意見ですので、この考えが正しいのかそうでないのかは今でも分かりません。
ですが、世の中の考えである「子供の福祉を守る」これを私も最重要視した上での決断であることは、はっきりと言えます。
・・・こんなに偉そうなことを言っていますが、実は時々、頭の中によぎっては必死に考えないようにするほど、不安に思っていることがあります。
それは、もし娘が20歳になる前に、元夫から面会交流権を要求されたらどうしようということ。
離婚当時4歳だった娘も、春から中学生になります。
このような子供の成長における大きな節目の時には、必ず元夫の顔が頭をよぎります。
万が一元夫から面会交流を要求されたら、本音では1秒も会わせたくありませんが、今度は中学生の娘の意思も聞いて受け止めなくてはならないでしょう。
そして元夫の娘の記憶は4歳で止まっているのです。
せめて写真などは送ってあげようという気になるのでしょうか。
DV夫と子供の面会交流は、離婚後何年経って考えてみても、本当に複雑なものなのです。
離婚後に多いトラブルBEST5
決着が着くまでたくさんたくさん時間をかけて話し合いをした、離婚。
これだけ身を削る思いをしたのだから、離婚成立後はキレイさっぱり後腐れないようにしておきたいもの。
でも意外と、離婚後の元夫婦間のトラブルって多いんです。
離婚する人の多くが相手に対しての愛情は冷え切っているので、こういったトラブルがあると余計がっかりというか腹立たしいというか、とにかく気分が悪いことでしょう。
では離婚後に起きてしまうトラブルって、一体どんなものなのでしょうか?
知っていれば、これから離婚を考えている方が、事前の対策ができるかもしれませんね。
今回は離婚後トラブルについて、深く掘り下げてお話していきます!
離婚後トラブルの原因第5位 離婚後もつきまとわれて困っている
相手が離婚に納得いっていない場合、どうしても復縁したい場合、はたまた怖いことですが未練が恨みに変わってしまった場合、元パートナーがストーカー化してしまうことが多いのだとか。
そして、厄介なのが知らない人からのストーカー行為とは違い、どうしても情があるので、つい最初は無下にできずこちらが中途半端に接してしまいがちです。
すると相手を期待させることになり、行為がエスカレートしてしまうようです。
そのストーカーレベルは、執拗なメールやしつこい電話といったものから、自宅での待ち伏せ、さらには実家に上がり込んで待っているなど様々。
いくら元夫婦であってもこれらは立派なストーカーという犯罪行為です。
特に動機が恨みの場合、放っておくと身の危険が生じてしまうことすらあります。
このような場合は速やかに情を振り払って、警察に相談しましょう。
また相手に、いくら電話やメールで拒絶する態度を示しても
「電話に出てくれると言うことはまだ気持ちが残っている。」
「じっくり話せばまた分かり合える。」
など、ストーカーは自分の都合よく解釈してしまう傾向があるため、逆効果になってしまいます。
ストーカー化してしまった元パートナーと、直接のやり取りはNGです。
離婚後トラブルの原因第4位 養育費の増額を頼みたいが応じてくれない
子育ては予測のつきにくいもの。特に子供に関する予想外の出費なんて良くあることです。
例えば、
・子供、または親権を持つ親が病気やけがをして入院になり、医療費が足りない
・子供の塾や家庭教師代が捻出できない
・子供の高校や大学に通うための、学費が足りない
このような出費により養育費が足りなくなった場合、本来は増額をしてもらうことが可能です。
ですが、理由もはっきり話した上で増額してもらいたい旨を伝えても、なかなか応じてくれない、メールで送っても返信が来ないなどでトラブルに発展してしまう元夫婦が多いそうです。
別居親は、子供の教育には日ごろ関わっていないことが多く、塾や家庭教師などの必要性が分かりにくかったり、私立ではなく今から公立にしろなど無理なことを言ったりもします。
中には毎月の固定養育費自体が、元パートナーの生活を圧迫していて、急に言われても捻出が難しいことも・・・。
これを防ぐには、離婚してからも密に連絡を取るのは嫌かもしれませんが、定期的に子供の教育方針や今後の学力UPについての話などを、普段から元パートナーに伝えておくことが重要です。
すると相手側もある程度心の準備ができ、養育費の増額もしてくれやすくなります。
もし養育費の増額による話し合いがこじれてしまったり、連絡しても一切取り合ってもらえない場合には、内容証明郵便を送りましょう。
きちんと相手側に養育費の増額を要求したことの証拠となり、今後調停や裁判を起こすことになった際に、提出することができます。
離婚後トラブルの原因第3位 子供と面会できない
離婚前の取り決めで約束したにも関わらず、いざ離婚が成立したら、
「子供の具合が悪い」
「習い事で忙しい」
「子供が会うのを拒んでいる」
など、何かと理由をつけて子供に会わせてもらえない・・・と嘆く人の声を多く聞きます。
面会交流を持つということは、離婚後も元パートナーと繋がり続けなければならないことになります。
親権を持つ親はそれを苦痛に感じるのでしょうが、親権を持たない親にとっても子の親であることは変わらず、また子供もなるべく両親からの愛情を受けた方が良いのは明らかです。
実は、離婚が成立した後も子供が20歳になるまでは、元パートナーに面会交流権があり、この権利を調停や裁判で主張することができます。
しかし、これにより相手との関係性がもっと悪化する恐れのあることや、強制的に子供と会うようで子供への影響を心配し、なかなか踏み出せないことなどから泣き寝入りする人が多いそうです。
中には、会えないのなら親でいる意味がないと、養育費の支払いをストップしてしまうことも。
子供との面会交流権を「養育費」という名目のお金で買っているようで嫌ですが、現実には結構多い話なのだそうです。
こういった事態を避ける為には離婚協議の際に公正証書を作成し、約束が守られなかった場合に、いつでも協議での取り決めたことを証明する準備をしておくべきです。
離婚後トラブルの原因第2位 慰謝料が支払われない
離婚の理由が
・浮気や不倫などの不貞行為
・DVにおける身体的・精神的暴力
・悪意の遺棄(収入を渡さない、家事育児放棄など)
こういった場合、離婚時に元パートナーから慰謝料を請求することができます。
慰謝料と聞くと、離婚の際に一括で貰えるお金のように感じますが、実は現在の慰謝料の相場は、大体200万円程度。
一度に支払うには負担が大きいということで、現在では分割で慰謝料を支払うケースがかなり増えています。
それなのに今、決められた額の慰謝料が最後まで支払われない確率がなんと80%に上るというのです。
支払いが滞る理由として、例えば仕事が変わり給料が減ったことや、新しい人と再婚をし生活環境が変わってしまったことが多くみられます。
しかし、慰謝料は元パートナーに精神的苦痛を与えた代償であり、それを分割にするということは相手に対して借金をしているようなものです。
決して支払う側が優位に立ってお金を与えているのではありません。
長期に渡り支払いを続けるとどうしてもその感覚が鈍り、相手の為に毎月払ってやっている感が強くなって、安易に滞納できてしまうのです。
ちなみに、もし慰謝料の支払いが途中で滞ってしまった場合は、元パートナーの給料や財産を強制的に差し押さえすることも可能です。
離婚後トラブルの原因第1位 養育費が支払われない
第1位は、養育費の支払い問題。
そしてこれは自分のことではなく子供に関わるお金なので、支払われないストレスは相当大きいようです。
現に、私の周りの子連れ離婚経験者の友人のうち、2人からこの相談を受けたことがあります。
私の友人の例で言うと、
<<例1>>
「最初はきちんと、毎月定額支払われていたが、だんだん頻度が2か月に1回、3か月に1回になり金額も半額になって、今では毎回催促の連絡をしてやっと少額支払われる状態。連絡を取るのも嫌だし、毎回元夫のことを思い出さなくてはならないのも苦痛。」
<<例2>>
「元夫が再婚したとの噂が耳に入ったのと同時期に、養育費の支払いがピタリと止まった。渋々連絡を取ったら、どうやら再婚相手との間に子供もできて、うちの子にお金が回らないらしい。同じ元パートナーの子なのに差別されたようで許せない。」
このようなものでした。
この悩みを打ち明けられてからそれぞれ数年経っていますが、残念ながら友人たちの場合は支払いが元通りになることはなく、現在に至っています。
養育費も慰謝料と同じくもちろん強制執行することができますが、一人で子育てと家事を両立しながら、そんな大変な手続きなどをする時間と心の余裕はないのが現実のようです。
これでは離婚後のトラブル第4位にあった養育費の増額なんて、とてもじゃないですが期待できませんね。
終わりに・・・
いかがでしたでしょうか?
離婚後のトラブル5つのうち、なんと3つが金銭関係によるものだということが分かりました。
慰謝料・養育費の重みの認識が、支払う側と受け取る側で大きく違うのでしょうね。
特に養育費は元夫婦間のものではなく、親の勝手な都合で片親にならざるを得なくなった、子供の成長のために必要なお金です。
離婚しても子供と両親の親子関係が切れることはなく、両親共に子供を養育する義務があります。
離れて暮らす親が直接養育できない代わりに・・・そして本来離婚せず暮らしていたら、毎月確保されていたであろう金額分の養育費を、子供のために支払うのです。
お金の切れ目は縁の切れ目という言葉がありますが、縁は切れてもお金が切れてはならないのが離婚なのです。
養育費支払い率20%…公正証書で対策を!「絶対作った方がいい」と感じた離婚経験者のリアルな体験談
離婚したいな・・・・・・
離婚しようかな・・・・・・
もう離婚だ!!!
そうお考えの、そこのあなた。
「公正証書」をご存じですか?
聞いたことがあるな、という方。
聞いたことはあるけど、どこでどのように手続きをするのか分からない方。
いやはや、「公正証書」なんて、全く聞いたことがない方。
知らずにいたら、「損」しちゃうかもしれませんよ!!
この記事では、離婚時に公正証書を作って良かったと感じる私が、手続きの方法を体験談を交えてご紹介していきます。
離婚、公正証書を作るまでの経緯
かく言う私も、「公正証書」を知らず、突然、離婚に直面しました。そんな私が、なぜ、離婚に際して、公正証書を作ろうと決意したのか。
また、その手続き方法や、どんな取り決めをしたのかという体験を、赤裸々にお話したいと思います。
夫は契約社員で、月々の給与が不安定な人でしたが、新婚時から、住まいは夫の親が建てていた二世帯住宅だったので、家賃を払わずに済んでいたこともあり、楽観視しておりました。
家計の財布の紐は、夫が握っており、当時の私は専業主婦でした。子供が可愛く、育児に専念していたため、働くことは視野になく、月々、決まった額を生活費として、給料日に夫からいただいていました。
当初は、暮らしに困ることは全くない生活だったのですが、徐々に夫は、生活費もつぎ込む程、ギャンブルに依存し始めました。
普通なら、「仕方ない」と、貰った生活費の中でやり繰りするのが妻の務めとは思うのですが、ある時は、給料の9割をギャンブルで失くして帰ってきて、「一発当てて、金を増やそうと思った」と、悪びれずに言われたときには、初めて結婚したことを後悔したと同時に、もやもやと、この先の将来の生活が不安になりました。
時を同じくして、ふとしたきっかけで、夫の浮気が発覚。「二度と浮気しないで」「ごめんなさい」で、事が収まるかと思いきや、私が、電話で相手の女性を、きつく責めたことや、「浮気相手の女性に対して、慰謝料請求する」と、息巻いたことで、夫の気持ちが、次第に私よりも、浮気相手の女性寄りになり、程なくして、「離婚して、彼女(浮気相手)と結婚したい」と、いうことを告げられました。
専業主婦で、社会から遠ざかっていた私にとっては、それは恐怖の宣告でした。夫は勿論、住まいも、子供も、お金も、全て失くしてしまうかもしれないのです。
その時、末っ子は、まだ1歳にもならず、ハイハイすら出来ない乳幼児。
今、泣いて夫にすがるのは、目先の生活は安定するかもしれないが、浮気は病気。きっとまた、繰り返す。そして、夫のギャンブル依存。
実家という、ぬるま湯で暮らしている夫は、「いざとなれば、親に頼ればOK」という、性格。きっと、この甘い方程式から抜け出せないに違いない・・・・・
私は覚悟を決めました。自分と子供を守れるのは、結局は自分しかいない、と。
そこで私は、泣いている場合ではないと、頭をフル回転させ、離婚に際し、少しでも損をしない方法はないか、調べまくりました。
そこで、初めて見つけたのが、「公正証書」というものです。
公正証書とは?
【 公正証書とは 】
中立な立場の「公証人」が作成してくれる公文書で、高い証拠、証明力があり、養育費、慰謝料、親権、子供との面会の頻度など、夫婦の間で約束したことを、証書に記載してもらえます。
日本全国に「公証役場」という国の機関があり、そこで作成してもらうことができます。(公証人役場一覧)
私が「離婚」の二文字を突き付けられた時に、まず、一番不安だったのは、「親権をとれるか」ということと、「離婚後に養育費が、きちんと支払われるのか」ということでした。
子供を手放す選択肢は無かったので、無職の自分に、親権が与えられるのか心配になりました。
口頭では、「親権はいらない」「養育費を払う」と、夫は言ってはくれたけど、義父母の意見(長男は置いていけ)もあったので、いつ意見が翻るか分からず、正直、口約束では、100%の安心はできない。
離婚後の子供との生活を守るためにも、どうにかして夫を、公証役場に連れ出し「公正証書」を作らなくてはいけない。
私は、よく考え、行動に移しました。
何せ夫は、私から気持ちが離れたから、離婚を選択した訳です。スムーズに、私の言うことを聞くはずもありません。
公証役場には夫と一緒に行く事にこだわったワケ!同行してもらうために行った工夫
そこでまず、一番近い公証役場はどこなのかを調べました。
私の場合は、幸いなことに夫の勤め先から、徒歩5分ほどの場所に、その役場があり、彼の生活圏内でもあった為、誘いやすさの点では満点の場所でした。
次に、私からも、自分の両親や、私の両親からも責められ、精神的にも落ち込み、参っていた夫に、優しい言葉をかける努力をしました。
「あなたは悪くない」「私より好きな人に出会ってしまっただけ」「正直な気持ちを言ってくれて、ありがとう」と、夫や、浮気相手を責めることなく、労わることに徹しました。
夫が指定する「代理人」と、公証人役場へ行って、手続きをすることもできるそうですが、後から夫に異論を唱えさせないためにも、私は、夫を公証役場に連れていくことに、こだわりました。
程なくして、懐柔作戦が功を奏したのか、「浮気相手に慰謝料を請求しない」という条件付きで、公証役場に行くことを、夫が承知してくれました。
その時点で、子供の親権は私が持つことと、夫が養育費を支払うこと、月々の養育費の金額は、2人で内容を決めていました。
公証役場には、予約なしでも良いとのことでしたが、夫のスケジュールに組み込みたかったので(逃げられないように)、事前に2人で、次の夫の休日に、公証役場に行くことを約束し、私が、公証役場に予約の電話をしました。
その電話で、離婚の公正証書作成希望であることを伝えると、予約希望日を聞かれ、その後、提案された時間の中から、早めの時間を選びました。なるべく待ち時間がなく、スムーズに作成したかったからです。
持ち物は、2人とも、身分証明書(免許証)、印鑑は必須でした。
公証人との面談内容
一つのテーブルに、私と夫、公証人の方が座りました。
公証人として、私たちを担当してくださったのは、柔らかい雰囲気のご老人で、私たちにとって不慣れな場所でしたが、それほど緊張せずにお話することができました。
まず、免許証にて、氏名、住所、生年月日の確認をされました。
そして、重要な証書の内容についてですが、こちらから提示するとういよりは、公証人の方から、「OOはどうしますか?」というように、順番に一つ一つ質問を受け、夫婦の合意点を確認されるような形で、記載事項が決まっていきました。
箇条書きにすると、
【面談内容】
・親権のこと
・養育費のこと
・夫と子供の面会頻度のこと
・勤務先の変更や、引っ越しをしたときに、お互いに通知すること
・約束した養育費以外の財産の請求をお互いにしないこと
・養育費を払わないときは、給料の差し押さえを承知すること
・・・・このような内容です。
事前に決めていたこと以外に、その場で話し合い、条文を増やしたものもあったので、やはり、公証役場に夫を連れて行ったのは、正解だと思いました。
そして、公証人とのやり取りが終わると、公文書を作成していただきます。
公正証書作成の費用(手数料)は、私の時は2万円くらいでしたが、書面で約束する金額によって、手数料が変わるそうで、5000円~3万円くらいの幅があるようです。
なお、全国どこの公証役場で作っても、公証人手数料は一緒です。
そして、出来上がった公正証書は、当日、30分くらい待って、受け取ることができました。
困った夫でしたが、最後に誠意を見せてくれたな、と、感謝の気持ちでいっぱいです。
養育費の支払い20%という現実!公正証書は絶対作った方がいい
あっという間に、離婚後、7年が経ちました。
世間では、元夫による養育費の支払いが続くのは、20%ほどだと聞きましたが、おかげさまで我が家の元夫は、滞ることなく、毎月、定額を振り込んでくれています。
これも、口約束でうやむやにすることなく、きっちりと、公的機関を利用し作った、「公正証書」の存在が、とても大きいからだと思います。作っておいて、本当に良かったです。
離婚をお考えで、特に、離婚後、お子様を養育される予定の方。
時間と手間を惜しまず、ぜひ、公正証書をお作りになることをお勧めします!
愛する子供が憎き元夫に似ている…。どう受け入れるべきか
離婚には様々な理由があると思いますが、パートナーが憎くて憎くて心の底から大嫌いになり、別れた人も少なくないでしょう。
ですがそんな元夫でも一時は心から愛し、その愛の結晶として生まれた、愛する我が子。
離婚後、無事親権を手に入れ、子供との平和な生活を送っていた矢先に、たまに感じる違和感や不快感。
「この子。あの人に似ている…。」
イライラしている時や、気分が落ち込んでいる時にその事に気付くと、とても悔しいような、やるせない気持ちに駆られたことがある方はいませんか?
私が別れた元夫はモラハラとDVをする最低な人でした。
今でも夢に出てきますし、思い出そうとすると嫌なエピソードばかりが思い出されます。
離婚当時、4歳だった娘はもうすぐ中学生。思春期になり、現在はプチ反抗期に入っています。
そんな中、たまに娘のとる態度が、夫と被ることがあるのです。
そのように感じる時、無条件で愛しているはずの娘に嫌悪感を抱き、そんな感情を抱いた自分が嫌で嫌でたまらなくなります。
今回お話する内容は、お子さんがいる離婚経験のあるみなさん全員には、当てはまらない内容かもしれません。
ですが、私と同様のことで悩んでいる方も多くいるはず。
この記事を通して「この事実をどう受け入れるか?」考えていきましょう。
「別れた夫に子供が似ている」ことが動機の殺人事件
2017年10月、オーストラリアで3歳の息子を殺害した罪で、母親に懲役33年以上が言い渡されました。
同じく殺害に関与した義父にも、懲役30年以上が課せられています。
事件の起きた時期は報道されていませんが、その悲しい事件の動機は、
「別れた夫に似ているから。子供を愛していたが、憎む気持ちもあった。」
だそう。
こんな事件は絶対に許されるはずがありません。
子供には何の罪もないのですから…。
判事は、
「容疑者の母親は、子供を育てる中で父親の罪が子供にあるかのように錯覚し、拷問を続けた。」
と語っています。
この事件を知った時、私はこの母親を1ミリも肯定する気はありませんが、この母親の感じた気持ちだけは理解してしまったのです。
私が感じた元夫のDNA
冒頭でお話した、娘のプチ反抗期。
「うるさいなー。」
「もーあっち行って。」
程度は日常茶飯事ですが、仕方がないと受け入れています。
自分も娘と同じ中学生の頃は、母親に対しての口答えなどが酷かった自覚がありますから。
それに普段は明るく、私の言う事も素直に聞き、お手伝いも自分から進んでしてくれるような心優しい娘です。
ですが数か月に1度、娘は爆発します。
きっかけは、本当に些細なことです。
やるべきことをしなかったために、私に叱られ、見たいテレビが見られなかったり、ゲームを制限されたり。
欲求を満たしたい彼女は、一度は私と話し合いの場を持ちますが、それでも私がYESの返事をしないと…。
時に彼女はだんだん自分の気持ちのコントロールが利かなくなり、大声を上げて私を突き飛ばしたり、髪の毛を引っ張ったり、力で解決しようとします。
はさみを持ち出して、脅してくることもありました。
女の子でまだ小学生ですが、身長も体重も小柄な成人女性と変わらないくらいの今、暴走している時の彼女を力で止めることはできません。
そんな風に暴力を奮う彼女に、単なる家庭内暴力とは違う、DNAのようなものを感じずにはいられないのです。
私が元夫から受けたDVとの共通点
私の元夫は、自分の思い通りにいかないことがあると、暴力で解決しようとする人でした。
大声を上げ私が恐怖で動けなくなると、殴る蹴るなどし、髪の毛を持って部屋中引きずり回しました。
離婚当時、まだ娘は4歳になったばかり。DVは娘の目の前でも当然のように行われていました。
娘は、「怖かった。泣いていた。」など、その時の自分の感情や、父親の奮う暴力を所々覚えている程度です。
ですから、娘は決して父親の真似をしているわけではありません。
それなのに、娘からの暴力に受け身を取りながら、私はいつもデジャヴを感じてしまいます。
なぜなら、その暴力に手加減や躊躇といったようなものが一切感じられないからです。
それがあの元夫の暴力と酷似しているのです。
そんなことを考えてはいけないと思えば思うほどそう思えてしまい、夫に対しての憎しみが娘に被り、嫌悪感さえ抱きかけます。
その醜い感情を私は必死に振り払い、娘が落ち着いて和解した後に決まって自己嫌悪に陥るのです。
言ってはいけないことを言ってしまった
一度、私は娘に対し、
「そのやり方、その顔、あのパパと全く同じだよ!思い通りにいかないことを力で解決しようとするところがそっくり!」
と、思わず言ってしまったことがあります。
すると、娘はボロボロと涙を流し、
「そんなの知らないよ!そんなの覚えてないし、好きでパパの血が入ってるわけじゃないんだ!ママが生んだんだろ!」
と訴えたのです。
その通りです。
娘の人生はすでに、元夫と別れてからの期間の方が長いのに…。
そして娘の気持ちを汲み取れず、暴力に走らざるを得ない状況に追い込んだのは私なのに、その原因の全てが元夫にあるかのように錯覚し、娘もそれを受け継いだ同類だと決めつけたのですから。
オーストラリアの事件の、
「容疑者の母親は、子供を育てる中で父親の罪が子供にあるかのように錯覚し、拷問を続けた。」
と、まるで同じだったのです。
私がどのように乗り越えようとしているか
私の身に起きたこの問題は、この記事を書いている現在も続いています。
前回起こった時は自分の中で必死に振り払いましたが、やはり分かっていても前の夫が頭に浮かんで娘の行動と重ねてしまいました。
そう思ってしまう感情を無くすことはできないと思います。
そう思ってしまうことを受け入れて、その上で自分なりに解決法や消化法を見つけるしかないのだと私は思います。
娘を愛する気持ちは変わりませんし、今はどうやって暴力を止めるか、反抗心をなくすかではなく、娘がヒートアップしそうになった時にどのように彼女のイライラをコントロールするべきか、その対処法に重点を置いて、模索しています。
元夫と子供が似てきても…子供には一切罪はない
子連れ離婚後、このように元夫の影を、我が子に見てしまうことを悩む方は少なくありません。
きっと自分も含めて、元夫に対する憎しみや怒りの感情が、未だ自分の中で消化しきれていないのでしょう。
「元夫があんな人じゃなかったら良かったのに」など、何かと元夫との離婚に結び付けていませんか。
でもこれって憎しみより、ある種の未練のような感情に近いと思いませんか。
顔や体質が似てしまうのは当然あると思います。
ですが性格や態度に関しては、子供が元夫に似ているのではないかもしれません。
もしかしたら自分にとって都合の悪いことを、子供を元夫に当てはめることで責任転嫁をし、都合よく消化しようとしているだけではないかと、私は思うのです。
母親が、自分の身勝手な感情に振り回されてしまうことを「やめましょう」とは言えません。私自身出来ないでいるのですから。
ですが、その感情を子供にぶつけることは絶対にしないように努力しましょう。
なぜなら、子供には一切罪はありません。愛する母親の身勝手な理由で、自分が嫌悪されていることを知った子供が可哀想で仕方がありません。
それが私が考える元夫と似ている子供との付き合い方です。
DV離婚後シングルマザーが住みやすい環境をDV離婚経験者が考えてみた!
離婚…。
そのほとんどが、パートナーとの夫婦関係が何らかの理由で破綻してしまったことにより、婚姻関係を解消することになったのだと思います。
となると、離婚後も「元夫婦」が一つ屋根の下に住み続けることは難しく、離婚するにあたり、まず考えなくてはならないのが「離婚後の住居」です。
ですが、一口に離婚と言ってもその理由は実に様々。
性格の不一致・不倫・借金・モラハラ・DV・セックスレス…。
最近では親族との折り合いが悪いことも離婚原因の上位に上がってきているようです。
ですから離婚理由が様々なように、きっと離婚後の住居や環境にも様々なケースがあることでしょう。
私はまだ娘が4歳の時、DV夫から逃れるために離婚をしました。
当然、円満離婚ではなかったので離婚調停中から離婚後も、元夫が仕返しのために私たちを探しに来るのではないかと、しばらくの間怯えて暮らす日々が続きました。
そういう経験もあって、離婚の中でもDVによる原因が、特にその後の住居選びに慎重になるのではないかと思ったのです。
それに子供がいるなら、子供のためにも1番ベストと思える環境を与えてあげなければいけませんよね。
ですから今回は、DVによる離婚時にどうしたら良いか迷っている子育て中のお母さんに向けて、今後住みやすい環境をいくつかご提案していきます。
別居・離婚時の住居は絶対に知られないようにすること
まず、DVの場合は⦅離婚=逃げる⦆ことになると思います。
従って、子供と暮らす新たな住まいを相手にバレないようにしなくてはなりません。
ですから、子供がいる離婚に良くある、夫が出て行って自分たちが元居た家に暮らすことは絶対にできず、必然的に子供を連れて出ていくことになります。
しかも、家具家電や大荷物で出ていくことは難しく、最低限の貴重品と荷物…中には着の身着のまま飛び出さなくてはならないこともあるでしょう。
実家に帰る
まず、あなたにとって実家が頼れる存在の場合。
一時的に子供と身を寄せる場にするのは良いと思います。
実際私も、離婚が決まるまでの調停中は実家に置いてもらっていました。
ですが実家で暮らすことは、多くのメリットとデメリットがあるため、分けて説明します。
実家で暮らすメリット
・子育てのサポートと経済面での援助を期待できる
・子供も自分も精神面で安心できる
・仕事が見つかりやすい
離婚時の精神的、経済的な不安を解消してくれる実家。
子供も自分のおじいちゃんおばあちゃんと一緒なら、安心して過ごしてくれるでしょう。
また、シングルマザーは子供の世話で残業ができず、病気やケガで休みが多くなるというイメージを持たれるため、就職活動に苦労するという現状があります。
その点も、祖父母の監護もあることが分かれば、採用される確率がぐっと上がるかもしれません。
DVが離婚理由ではない私の友人のシングルマザーは、実際にずっと実家で暮らし、仕事も順調で貯金も計画的にできているようです。
実家で暮らすデメリット
・DV夫に見つかりやすい
・つい過度に甘えてしまい、両親に負担をかけてしまう
・児童扶養手当(母子手当)がもらえない可能性がある
・保育園入園の優先順位が下がる
DV夫がもし自分たちを探しにくる場合、まず実家を一番に疑うことでしょう。それを思うと実家に住み続けることは私たちには危険だと思いました。
また、当時父親はまだ定年前で母親もパートに出ていました。
ですから私が働くにあたり、娘を保育園に預ける必要があったのですが、通常、認可保育園入園の優先順位が上がるシングルマザーでも、実家に住んでいることでその順位を落としてしまいます。
また、働き口の少ないシングルマザーの助けとなる月額4万円前後の児童扶養手当が、両親のお金でも世帯収入が基準以上あったために、受け取れなくなってしまうことが分かりました。
そういった背景からも、調停が終わり離婚が決定してから私と娘は家を出ることにしました。(私たちがどこに居を構えたかは後程お話します)
DVシェルター
DVシェルターとは、DV被害者の避難施設で、場所は非公開とされております。
身の危険に緊急性がある場合、実家に頼れない事情がある場合、何より引っ越しどころか所持金がほとんどない場合など、DV被害を受けている人たちにとってシェルターはとてもありがたい存在であると言えます。
もちろん子供を連れて行って一緒に入居することができます。
DV夫から居場所を特定されることはまずありませんし、シェルター生活数週間の間に、自立支援まで行ってくれるのです。
ですが、はっきり言って自由は一切ありません。
居場所を特定されないために携帯電話は没収されますし、最近では増え続けるシェルター入居者の数に対し、施設の設備や管理が追い付かず、随分苦しい数週間を過ごす人も多いことが一部、問題視されているそうです。
また、子供もその間は保育園や学校に行けなくなり、突然知らない人ばかりの中での生活を強いられることにより、ストレスを感じてしまうでしょう。
しかし、DVによる離婚を決意したのなら、贅沢や綺麗ごとばかりは言っていられないはずです。
今後、子供と共に自分が幸せになる道を手に入れるためなら、一時的に辛抱することはやむを得ないと私は思うのです。
公営住宅
シングルマザーの入居が増えている公営住宅。
民間の賃貸と比べてもその家賃はとても安く、所得制限はありますが、地域によっては母子家庭は入居者を決める抽選の優先枠に入れることもあるようです。
それに子供に優しい所も多く、公園やおもちゃのおいてある集会場が併設されている所も多いようです。
同じ境遇の方同士で情報交換ができたりして、心強かったりするかもしれませんね。
ですが、問題は公営住宅が大抵郊外にあること。
すなわち車を所有していないと、とても不便な場合があるのです。
実際、私が以前住んでいた地域の公営住宅の場合、最寄り駅までバスで15分強かかり坂道も多く、普通の自転車でもかなりつらい距離。
近くにコンビニやスーパーなどもありません。
また、浴槽や給湯器、カーテンレール(換気扇までの所も)も自費で購入しなくてはならない所も多く、初期費用も安いとは言い切れず…。
職場や保育園などへ通う車の維持費やバスの交通費が、月にどれくらいかかるのかある程度計算して検討した方が良さそうですね。
実家に近い民間賃貸物件
実は、私はこちらを選びました。
こちらもメリットとデメリットが多くありますので分けて説明します。
実家に近い民間賃貸物件のメリット
・子育てのサポートが期待できる
・子供も自分も精神面で安心できる
・子供と自由に暮らせる
・DV夫に見つかりにくい
・保育園・職場が見つかりやすい
私は実家から2駅離れた場所に(徒歩で20分強の距離)1DKのアパートを借りました。
最初に挙げた、実家と同じようなメリットがありつつも、住民票に閲覧制限もかけ、DV夫から見つかりにくいことが何よりの安心材料になりました。
また、実家は近くにありつつも世帯が別なので保育園の優先度に影響はありませんでしたし、職場には「実家が近くにあるので、万一の時は見てもらえる可能性が高い」ことを強調することができました。
これは実家から遠く離れた場所なら叶わなかったことです。
実家の近くの民間賃貸物件のデメリット
・入居審査に通りにくい
・毎月の家賃や光熱費などの支出による負担が大きい
・つい両親に甘えてしまう
まず、パートの給料と手当に頼る収入では、なかなか審査に通ることは難しいと言えます。
幸いまだ父親が現役でしたので、借主を父親に頼み、借りることができました。
ですが、やはり毎月の出費は本当に痛く、手当を貯金に回すことができるような、余裕のある暮らしは一切できませんでした。
つい親に甘えて、遊びや外食に連れて行ってもらうこともしばしば…。
それでも、自分一人で生計を立てて暮らしていくことは、自立して娘と2人で幸せに暮らすんだ!という自分が前向きでいられる活力になったのは間違いありません。
子供の転園・転校について
離婚を決意し子供の今後をどうするか悩む中で、良く耳にするのが
「親の都合で子供を転園・転校させるのは、可哀想」
という意見。
私は、決してそうは思いません。
確かに親のエゴです。子供にたくさんの我慢をさせてしまいます。
ですが、それはよりも劣悪な家庭環境に子供の身を置く方が、子供に悪影響を及ぼすと思うからです。
それから、転園・転校問題と同時に浮上する、子供の姓の問題。
もし同じ学校に在籍中に姓が変わったら、それこそ同級生からのからかいの対象になってしまうかもしれませんが、転校時に変更できればその問題はあまり関係ありません。
そういったことからも、子供の転校=可哀想とは一概に言い切れないと私は思うのです。
終わりに…
以上が私の考える、DVによる離婚時にシングルマザーが住みやすい環境です。
おそらく離婚理由がDVでなかったり、子供がいない離婚の場合は、もっと選択肢が広がるのかもしれません。
そして結局は、どこに住んでもメリットに対し必ずデメリットも生じてくるので、自分がどこに妥協できてどこが譲れないのかを、きちんと明白にしておくことが大切だと思います。
辛いDVに耐えたあなたと子供の新しい人生は、毎日が新鮮できっと幸せだと思いますよ。
経験したから分かる!シングルマザーが貧困になる理由&知って得する支援制度14個
子供を持つ女性が離婚を考える際、頭をよぎるのは今後の生活についてです。
共働き家庭も増えていますが、子供を持つ女性の就業率は52%。その内正社員雇用で働く人はたったの8%。
離婚しシングルマザーとして、一人で働きながら子供の生活を支えるのは、大変厳しい道だと言えます。
また、夫も非正規雇用で働く世帯も以前より増え、離婚時に慰謝料や養育費が貰えないケースも多いそうです。
私は、元夫のDVが原因で過去に子連れ離婚を経験しました。
その際の取り決めで、相手が養育費などは一切支払わないことを条件に、離婚の承諾と親権の放棄をしてくれたので、無事離婚することができましたが、それからの数年間の生活は本当に厳しく、毎日のように脳裏にお金のことがよぎっていたくらいです。
しかし、それでも何とか生活を保っていけた背景には、行政による数々の支援制度があったからだと思います。
その制度には条件がありますし、自分で申請しなければ受けられないので、自分が条件に当てはまるのか、調べて知る必要があります。
今回は、シングルマザー貧困の実態と、受けられる支援制度や割引手当など、生活を助けてくれる様々な制度についてお話していきます。
何故、シングルマザーは貧困に陥るのか
厚生労働省がまとめた「各種世帯の所得等の状況」によると、平成24年の貧困ライン(等価可処分所得の中央値の半分)は年収122万円。これを月収に換算すると約10.4万円になります。
この貧困ラインにいる割合が子どものいる現役世帯で15.1%なのに対し、ひとり親世帯では54.6%(そのうちの約9割が母子世帯)。この数字を裏付けるように、生活意識の調査では母子世帯の84.8%が生活苦を訴えています。
出典: press.mamamoi.jp
このように、シングルマザーの大半の生活が、常に厳しい状況に置かれていると言えます。
しかしそれを回避する為、世帯収入を上げるのに正社員として働きたいと希望しますが、母子家庭ではまずその就職活動でつまずいてしまいます。
かろうじて働くことができてもパートやアルバイト。しかもそれもすぐには決まらないでしょう。
私の住んでいる地域には「マザーズハローワーク」と呼ばれる、子育てをしている女性向けの求人が多く集まる施設がありました。
平成29年7月の時点で全国に21か所、通常のハローワーク内に設置されているマザーズコーナーは173か所あるそうです。
そこなら就職しやすいのでは…と行ってみましたが、子育て女性が確かに働きやすい職種は多かったのですが、シングルマザーとなると話は別の企業が多いのが現実でした。
例え面接にありつけても、何か所も不採用。
正社員はおろかどんどん希望や条件を下げて、結局ありがたく採用してくれたのは、自宅から1時間離れた会社の受付兼事務のパートでした。
時給は1000円、週5日働いても手取りは13万を切るほどです。
1DK家賃6万円の子供と私の2人暮らしでは、毎月生活するのがやっと。習い事をさせてあげたり旅行に行ったりするような余裕はありませんでした。
このようにシングルマザーは思うような収入が得られない為、貧困に陥ってしまうのです。
では、積極的に働かなくてはならないシングルマザーが、思うように就職できないのでしょうか。
その1.就業時間や場所に限りがある
シングルマザーは、夜は子供の世話をしなくてはなりません。
特に小さいお子さんの場合は、保育園や学童などのお迎え時間も決まっています。
ですから働ける時間が限られてしまいますし、残業もできないので、正社員として働くことは難しいと感じる会社が多いでしょう。
それに長い時間就労する為には、通勤時間をより短くすることが理想なので、働けるエリアも絞られ、その分求人数も限られてしまいます。
私は7年前の東北地方太平洋沖地震の際、職場にいました。
当時保育園にいた娘がとても心配でしたが、交通機関もストップ。また回線が繋がりにくく、保育園や実家にもなかなか連絡がつきませんでした。
…結局数時間歩いて、娘に会えたのは夜遅く。
この時、シングルマザーは子供と離れた場所で働いていては、いざという時に守れないことを痛感しました。
そういう事を考慮しても、やはり働けるエリアは限られてしまうでしょう。
子供の急な病気やケガで出勤できない
子供の急な発熱やケガで、どうしても仕事を休まなくてはいけなくなることが年に数回は訪れるでしょう。さらにインフルエンザや感染症の場合、看護していた自分も感染して、倍の期間お休みしなくてはならない事も…。
近くに子供を預かってくれる実家や、病児保育の施設がない場合、会社としてもなかなか正社員採用に踏み切れないのだと思います。
資格やスキルがない
私は若くして1度目の結婚をしたので、正社員として働いた経験がなく、パソコンも独学でワードやエクセルが少し扱える程度、資格も普通自動車運転免許しかありませんでした。
こういった事から、事務職にしても経験者が優遇されますし、非常に厳しい就職活動になりました。
また、専業主婦期間が長かったシングルマザーの場合も社会復帰までのブランクがありすぎる不安から、面接時に自分をうまくアピールできなかったり、また就職活動自体を積極的に行えなかったりする場合もあるでしょう。
シングルマザーが受けられる支援制度
上記のように、シングルマザーの就職はとても厳しい道だという事が分かりました。でも日々の生活は少しも待ってはくれません。
ここからは、思うように収入が得られない中で、少しでも生活を助けてくれる制度をご紹介します。
各制度は各地域で支給額や内容が変わっていますので、ご紹介することを参考にご自分の自治体の制度を調べてみてくださいね。
児童手当
これは、シングルマザーに限らず、子を持つ全家庭が受け取れる国からの手当てです。
国内に住所がある0~15歳までの子供に年3回、数か月分がまとめて振り込まれる仕組みです。
児童扶養手当
こちらも国が行っている制度ですが、対象者は0~18歳までの子供を持つ母子・父子家庭に限定されます。扶養人数や所得によって「全額」「一部」「不支給」に分かれ、対象者には年3回、数か月分がまとめて振り込まれます。
特別児童扶養手当・障害児福祉手当
所得制限や等級制限がありますが、20歳未満の子供に精神や身体に障害がある場合、申請し条件を満たしていれば、こちらの手当てを受給できるようです。
母子・父子家庭の住宅手当
こちらは市区町村独自の制度で、行っていない地域もあります(私の住んでいた地域もありませんでした)。
条件も地域によって異なりますが、
・20歳未満の子を持つ母子・父子家庭
・民間のアパートに居住している
・申請先の住所に半年以上居住している
・前年度所得が児童扶養手当の所得制限限度額に満たない
・生活保護を受けていない
このような条件を設けている所が多いようです。
児童育成手当
18歳未満の子供を持つ母子・父子家庭に市区町村から支払われる手当です。
こちらも所得・受給制限が地域によって異なります。
ひとり親家庭の医療費助成制度
母子・父子家庭を対象に、保護者と0~18歳までの子供に医療費の自己負担分を一部または全額助成してくれる制度です。
所得制限があり、こちらも各市区町村により助成内容が異なります。
こども医療費助成
先ほどのひとり親家庭の医療費助成制度を所得制限により受けられない場合、こちらの制度が該当する場合があるようです。
こちらは親に対する助成はありませんが、子供にかかる負担金の一部が助成されます。
生活保護
・援助してくれる身内がいない
・資産が一切ない
・やむを得ない事情で働けない
・月の収入が、最低生活費を下回る
以上のような条件を満たしている場合、シングルマザーも生活保護受給の対象になります。
本当に困っている場合は相談してみましょう。
シングルマザーが受けられる減免・割引などの手当
保育料の免除や減額
子供の年齢と所得や税金額により、子供を保育園に預ける際の保育料が免除または減額になります。働いているシングルマザーは所得が低い場合が多いので、私もそうでしたが、こちらの手当てを受けられている方が多いようです。
寡婦控除
離婚や死別などで夫と離れ、再婚していない女性が受けられる所得控除で、満たしている条件によっては、特別寡婦控除が受けられます。
国民健康保険料・国民年金料の免除
母子・父子家庭に限りませんが、所得が少なく支払う事が難しい場合、その金額が減額・免除される場合があります。
各市町村によって細かい条件は異なります。
電車・バスの運賃割引
児童育成手当を受け取っていると、これもお住いの地域によって異なりますが、都内を例に挙げますと、JRの通勤定期が3割引きになったり、都営交通の全区間無料乗車券が発行されるようです。
粗大ごみの手数料免除・上下水道料金の割引
各市区町村によって詳しい内容は異なりますが、私の住んでいた地域では、指定ゴミ袋も無料になりました。
地味かもしれませんが、毎日の暮らしに関わることですので、この制度を受けられて本当にありがたく思いました。
自立支援教育訓練の給付金
私は、この制度に非常に救われました。
資格もスキルもない私が将来を考え、より収入の良い職に就くためにどうしたら良いのか役所に相談しに行った際に、この制度を紹介してもらいました。
雇用保険から職業訓練給付を受けられない母子・父子家庭の人が条件を満たすと、自立支援のための訓練給付金を、支給してくれます。
そして、私は半年間の職業訓練を受けることを決意したのです。
その甲斐あって事務に関する4つもの資格を取得することができ、自身のステップアップに繋がりました。
終わりに…
長くなりましたが、以上がシングルマザーが該当するであろう、様々な支援制度と減免・割引手当です。
これらは、離婚と同時に自動的に受け取れるものではなく、自分で各窓口を調べ申請しなければなりません。
そして、ありがたくその制度の恩恵を受けることは、少しも恥ずかしいことではありません。
子供と自分自身の生活の向上の為に、是非活用できるところは活用し、母子家庭の困窮の苦しさから少しでも解放されるように役立ててみてください!
離婚して養育費&慰謝料を貰わなくて良かった理由とメリット5つ
現代では、実に3分の1の夫婦が離婚する時代です。
しかし、お互いが生涯をかけて生活を共にすることを約束する結婚とは違い、離婚の理由は実に様々。
性格の不一致、浮気や不倫、セックスレス、酒乱、借金、モラハラやDV、などざっと挙げただけでもこれだけあります。
また現在婚姻関係が続いていても、上記の理由などから1度は離婚を考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
…けれど離婚は結婚よりも何倍も疲れると言います。
その頭を悩ます原因の一つに慰謝料や、お子さんがいらっしゃる方は養育費など、お金についての問題があるかと思います。
私は7年前、5年に及ぶDV夫との結婚生活にピリオドを打ちました。
調停の末、一人娘の親権は私が獲得しましたが、事情により本来貰う権利のあった慰謝料と養育費は放棄しました。
貯金がゼロの状態から一人で子育てと家計を支えていくのには、苦労したこともたくさんありましたが、逆に貰わなくて良かったと思えることもいくつもあります。
今回は、私が慰謝料と養育費を貰わなくて良かった理由についてお話します。
【
離婚における慰謝料・養育費とは
離婚における慰謝料とは?
【精神的な損害の賠償・慰謝料(民法710条)】
「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるを問わず、前条の規定により損害賠償の責を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。」
【不貞行為に対する慰謝料請求(民法709条)】
不法行為により損害を賠償する者は財産上の損害ばかりではなく、精神上の損害も賠償しなくてはならない。
出典: max-uwaki.jp
この通り離婚における慰謝料とは、離婚の原因となった側が、被害を受けた配偶者の精神的苦痛に対し支払う損害賠償のことです。
これはもちろん男性→女性のみではなく、離婚原因が妻側にあった場合には女性→男性にも支払い義務が生じます。
慰謝料の金額は、離婚理由と精神的苦痛の度合い、または支払う側の支払い能力により変動しますが、相場は大体このようになっています。
【慰謝料の相場】
◎性格の不一致 0~50万円
◎不倫や浮気 100~500万円
◎DVやモラハラ 50~300万円
◎悪意の遺棄(別居など) 50~300万円
◎セックスレス 0~300万円
実は厳密に言うと、離婚の慰謝料には上記にある「離婚の原因に対する慰謝料」と、離婚すること自体に生活苦など精神的苦痛が生じてしまう場合の「離婚自体慰謝料」の2種類があります。
特に女性は、生活が離婚前より厳しくなってしまうことが多く、お互いでの話し合いや裁判の取り決めによって貰えるのならば、絶対に受け取るべきお金だと思います。
養育費とは?
養育費とは、親権者ではない方の親が未成年の子供が成人するまでの生活を、自分と同等にする為に生活水準を落としてまでも支払うお金です。
ですから慰謝料とは違い、支払い能力の有無に関わらず、元配偶者ではなく我が子の将来の為に支払うべきお金なのです。
養育費の相場は、離婚調停などの際に用いられる「養育費算定表」を参考にすることが多く、それに基づいた場合、例えば年収500万円の夫と年収100万円の妻&小学生の子一人の場合、夫が妻に支払う養育費は4~6万円になります。
よって、これはいくら当事者同士が憎み合おうがいがみ合おうが関係なく、子供が受け取るべきお金なので、仮に慰謝料は請求しなくても、こちらは請求するに値するお金だと思います。
私が慰謝料と養育費を貰わなかった理由
上記で、私がこれら二つのお金は請求すべきだと主張しているのに、実際は何故貰わなかったのか。
まず一番の理由は、調停の際にDV夫が支払いを拒否し、親権を譲る事はもちろん離婚すること自体同意しなかったからです。
金銭的DVもあった夫は、自分の稼ぎが人の為に消えるのを特に嫌がっていた為、お金を支払うくらいなら子供も手放したくないし、既に愛情のない私とも離婚をしたくないと考えていたようです。
その証拠に、私が「慰謝料・養育費はいらないのでとにかく離婚して欲しい」と主張した途端、あっさりと離婚も親権を譲ることを承諾したのですから…。
次の理由は、私が無知であったこと。
娘と共に、早く夫から解放されたい一心で、減額交渉したり後から請求したりすることをしませんでした。
それにより、実際に自分の稼ぎだけで娘との生活を始めてから、何度も今頃養育費が貰えていたら…と思う場面や、自分の経済力の限界に嘆く場面がありました。
最低限の生活は出来ても、子供のやりたい習い事や趣味など思うようにさせてあげられないのです。
本来、養育費とはそういった事をさせてあげる為にもあるお金です。
自分自身の離婚に固執し、そこまで見通せていなかった自分の無知さもありました。
…ここまで長くなりましたが、いよいよ今回のテーマ。
では実際に金銭を1円も貰わないことで、逆に良かったと感じる点はどのようなことなのでしょうか。
メリット① 恐怖心がなくなる
私の場合、離婚の原因が夫からのDVであった為、報復に怯える日々がしばらく続きました。
調停の際ももちろん、一切顔を合わせることのない様に配慮してもらいましたし、新しい住所も手続きの際は一切他言しないようお願いしました。
そのくらい当時は恐怖に思える相手だったので、電話番号や口座など私たちに関する手掛かりが一切ないという点では、慰謝料・養育費を受け取らないことで、徐々に安心して毎日を暮らすことができました。
メリット② 自立心が強くなった
両親からも色々と協力してもらったので、感謝してもしきれませんが、毎月自分の稼ぎといくらかの手当て以外にあてになるお金がないことで、子供を守るのは自分しかいないという責任感と、自立心を強くもって過ごせていたと感じています。
メリット③ 子どもを面会させなくて良い
本来ならば養育費の有無と面会に関しては、関係がないとなっています。
しかし、養育費という名目のお金をいただいている以上、離婚しても二人で子供を養育していることになります。
ですからこちらの一方的な気持ちで、今後一生子供と顔を合わせないという選択をすることは難しいと言えるでしょう。
それに私の場合、離婚当時娘がまだ4歳と幼かったという点と、パパはママをぶったり虐めたりするという記憶が強烈らしく、7年経った今も1度も実の父親に会いたいと言った事はありません。(もちろん娘の私への気遣いもあるのでしょう)
長年経ち、私の心の傷は表面上すっかり癒えたように感じていますが、未だに年に数回、元夫が夢に出てきては私に暴力を奮います。
自分勝手な思いですが、本音を言うと娘が希望しない限り、一生娘を元夫に会わせたくありません。
そういった事からも、金銭を受け取らなくて良かったのだと感じています。
メリット④ 支払われないイライラなどがない
冒頭にお話したように、これだけ離婚の多い現代ですから、私の友人にも離婚経験者が数人います。
良く聞こえてくるのは、
「今月、先月と養育費が振り込まれていなかった。」
「催促の為に相手と連絡を取るのも嫌だけど、このままなあなあにするのも絶対許せない」
「相手が再婚した途端、毎月の振り込み額が減った」
などです。
離婚した元夫に対して、別れた後もイライラする思いを感じるのはとても苦痛だと思います。
メリット⑤ 次の恋愛や再婚で、相手に養育費の面で気まずい思いをさせる事がなかった
離婚して数年後、良心的な男性に出会い再婚した私。
娘の養子縁組も申し出てくれ、今では本当の親子として仲良く暮らしています。
再婚しただけでは連れ子に対しての養育義務はなく、養子縁組をすると同時に、その子供への義務が発生します。
初婚だった彼の中で、養子縁組をするという選択は、家族を守る事と今後の生活への覚悟でもあったのでしょう。
仮に毎月、元夫から養育費を受け取り、それが私の生活の一部になっていた事を今の夫が知れば…。その事で夫に気まずい思いをさせ、今の家族の形も少し今とは違っていたのかもしれません。
終わりに…
以上が私の思う、慰謝料・養育費を受け取らなくて良かったことの数々です。
負け惜しみのように聞こえるかもしれませんが、私たち元夫婦の場合はお互いこれで良かったのだと本心から思っています。
離婚時のお金の問題は、離婚の理由や状況によっても、金額はもちろん夫婦の中で様々な形や結果があると思います。
私たちには財産分与もなかったので、その点でも違ってくるでしょう。
ですから私の体験談は、ほんの一例として皆さんの心の中に留めておいていただければと思います。
ただ、最後にもう一度。
養育費は自分ではなく、子供が今後生活をしていく為に貰う権利のあるお金です。
私のように簡単に放棄する前に、受け取るのか否か、子供の事を考え、正しいと思える選択をしてください。
実体験!母子家庭に対する偏見と子供へのイジメ…いまだに残る村八分
離婚多いですよね。
2015年の人口動態統計の年間推計では、3組に1組の割合で離婚しているそうです。
母子父子のひとり親家庭は、10件に1件。クラスの中に3~4件のひとり親家庭がある計算になります。
母子家庭が増える事により、珍しい事では無くなりつつありますが、偏見に悩むご家庭も少なくないのではないでしょうか。
今回は、母子家庭への偏見を経験した、私の経験談をお話します。
保育園での偏見
ひとり親の家庭では、母は必ず働かなければ生きていけません。
保育園に初めて入れた時、子供は1歳になる年でした。
本当は産まれた年から働きたかったのですが、産後の肥立ちが悪かった私はオークション等でコツコツと日銭を稼ぎながら生活をしていました。
やっと入れた保育園
母子家庭で保育園に入れるのは、割と容易な方です。
特に私の住んでいる地域では、それほど人口も多くない為、比較的安易に認可保育園に入る事ができました。
それでも、私からすればやっとの思いで入れた保育園。お金の無い1年間を過ごしていたため、「やるぞ!稼ぐぞ!」と前向きに。
子供は人見知りせず、誰にでも抱かれる赤ちゃんだったので、割と安心して預ける事ができました。
最初の仕事はコンビニのバイト
保育園といっても行事があります。
私は「母子家庭だからといって、子供の行事に参加出来ない仕事に就くぐらいなら、貧乏でも良い」と考えていました。
その為、コンビニでバイトをしながら日々を過ごしていました。
日中はバイト、夜は子供が寝てからオークションでの小銭を稼ぐ生活になったのです。
子供の夜泣きがひどくなる…原因は…?
そんな日々を過ごして3ヵ月。子供の夜泣きに悩まされるようになりました。
朝は保育園に行きたがらず、グズる様に。
寂しいのかと思って、帰宅後や休日は出来る限り一緒に居る様にしました。
違う時間に迎えに行ったら隔離されてた我が子…
そんなある日、仕事が早く終わり保育園へ。
お昼寝の時間だったので、そ~っと行って教室をのぞいてみると、グッスリ眠っている子供たちの中に私の子が居ない。
先生もいないので、ホールに行ってみると、そこには数人の子どもが寝かされていました。
そこにも先生はおらず、職員室へ行って声をかけると、慌てた様子。
「教室で寝ていなかったのでビックリしました~」と、何気ない会話のつもりで話しましたが、先生の顔面は蒼白。
「ちょっとグズってしまったので…」と、口ごもる様子に、違和感を覚えました。
夜泣きの原因は、保育園での半ネグレクト
これはおかしい…と思い、数日たってほとぼりの冷めたころ、また違う時間にお迎えに行ってみようと決意。
給食の時間に行ったのですが、やはり教室にはいません。
ホールへ行くと、また同じ子ども達が集められて給食を食べていました。
しかし、先生がいないので動物園状態。
何が起きているのか先生に問いただしても的を得なかったので、役所、周囲の父兄に相談した所、ホールに集められていた子どもは全て「母子家庭世帯の子」という事が判明。
一部の父兄から「片親の子と一緒にするな」というクレームがあった為、その様に対応していたそうです。
先生の手も足りず、その子たちは朝から晩まで、そこに居続けるのみでした。
園長の「母子家庭」を差別する対応
私を含めた該当の母子と徒党を組み、園長に事の真相を確かめる事に。
しかし全く対応してくれず、しまいには
「お母さん方、きちんとした職に就いた方がいいですよ。私は心配しているんです。子供たちがあなた方の様なパートやバイトの底辺に育てられる事が。」
という、何とも差別的な対応。
周りの母親は怒っていましたが、私は「そういう考え方もあるのか。子供が嫌な思いをするぐらいなら“きちんとした職”というのに就いた方がいいんだな」と判断。
保育園を変える事はもちろん、自分の職を見つめ直そうと決心しました。
新しい職と新しい保育園
私は医療事務の資格を4つとり、大きな病院で勤め始めました。
病院だと、土日祝日はお休みだし、子供との時間が取れると思ったからです。
新しい保育園も順調で「これこそ保育士さんだよね」と実感できる様子。
我が子も次第に落ち着き始め、そんな状態が2年続いたある日。
子供の爪噛みと母子家庭
担任から「お子さんが爪噛みをしています」という話が。
不安な状態がある場合、子供はよく爪を噛みます。
前の保育園に入ったころからだったので、気にはしていたのですが、次第に落ち着いてきていました。
そのことを担任に伝えると、大きなため息を一つ。
「あのねぇ、そういう事じゃなくて。母子家庭だから爪を噛むんだって言っているんです。お父さんがいないのが、寂しいんですよ、母親としてどうお考えですか?」
私は唖然としつつも気を取り直し、先生と話をしましたが「爪噛み=母子家庭」という固定概念は覆る事はありませんでした。
その後、保育園は変えませんでしたが、翌年に担任が変わると我が子の「爪噛み」は見事に収まりました。
職場での母子家庭に対する偏見
先述の様に、私は子供の為に医療事務として働きはじめます。
大きな病院だったので、同じように母子家庭の方も働いていて、安心する事ができました。
そんな中、異変は少しずつ、しかし確実に表れ始めたのです。
母子家庭に食堂での居場所はない!
勤務初日、食堂で食事を取ろうとすると「何やってるの!」という大声が。声の主は事務の先輩で「ここはダメ!入っちゃダメ!」と言われ、追い払われてしまいました。
訳が分かりませんでしたが(まぁ入っちゃダメなら別な所で。)と、あまり深く考えず、休憩室で食事をとる事に。
席につこうとすると、また別の声が。「そこは座っちゃダメ。座るならこっちね」と誘導されました。
ここでも(場所が決まっているのかな?)と思い、気にしませんでした。しかし、後から同僚に聞いた所、驚くべき実態が明らかに。
食堂でも休憩室でも「片親とは一緒に座らない」という暗黙のルールがあったそうです。
自分の居心地とかではなく、母子家庭の親と極力関わりたくないという真意からでした。
母子家庭の同僚に対する目に見えるイジメ
そんな環境の中、母子家庭の親同士仲良くなるのは時間の問題でした。
しかし、ぽつりぽつりと辞めていき、最後は私とAさんの2人だけしか残りません。
ある日の帰り、Aさんから呼び止められ、Aさんが今日付けで辞める事が判明。
どうしてかと尋ねると「イジメだよ、辞めてったみんなそうだった。あんたも疲れ果てる前に考えなよ」と。
母子家庭の親に対する、イジメまであったとは。しかし、食事の席ぐらいで怒るんだから、ありえるかも。
そう思いつつ、私はまだ自分の身に起こっていないのを良い事に、考えるのをやめました。
母子家庭が原因で私にふりかかるイジメ
翌日出勤すると、私の事務用サンダルが無くなっていました。帰りには、雨傘も。
(あぁ、こういう事か。)と思い、私物は全て鍵付きのロッカーに入れる事に。
靴も毎日持ち帰り、気持ち的には(取れるもんなら取ってみろ)と思っていました。
そんな強気な態度が気に食わなかったでしょう。1週間後、朝に出勤すると私のロッカーが壊されていました。
バールのようなものでこじ開けられた挙句、中はスプレー塗料でグチャグチャ。
入れていた子供との写真は、ビリビリに引き裂かれていました。
弁償と新天地へ
事務長に相談すると「そっかー制服もレンタルだしなぁ。ロッカーと制服代、12万の弁償ね」と驚きの言葉が。
「イジメなんです、物も無くなったりしているんです!」と必死に訴えましたが、糠に釘。
事務長は「母子家庭だから払えないとか、言わないでね」と、その場から逃げるように去っていきました。
この事で、私は転職を決意。今度は個人の小さな病院にしようと思いました。
小規模でアットホームな所であれば良いのではないかと。
離職後、1ヵ月で新しい職場が決まりました。
スタッフ人数は10人程度でしたが、20-40代前半で年齢も近く、楽しく働く事ができました。
最初の3ヵ月までは。
こちらでも母子家庭の偏見
スタッフ10人中9人が女性で、結婚しているのは7人。内、子供がいるのは1人。
母子家庭が大変だという訳ではありませんが、負担はかなりのもの。
子供が熱を出せば、保育園から連絡が来て迎えに行かなければいけません。行事があれば、休まなければいけません。
片親の私達は、それを全て自分たちでこなします。そんな私に対する、周囲の目は次第に変わっていきます。
「そんなに熱出すなんて、何かの病気じゃないの?」
「発達障害とか。母子家庭だとよくあるって聞くよ」
「誰かほかの人に頼めないの?」
そんな言葉を、事あるごとに言われるようになるまで、さほど時間はかかりませんでした。
週5日のパートで働いていたのですが「普段休んでいるんだから、これからは休みなしね」と、月~土曜日の出勤に加え、残業代は無し。
ハードな仕事に体調を崩してしまい、お休みの電話を入れると「これだから母子家庭は!」と、切られました。
仕事を変えよう
次第に私は考えるようになりました。私はどうしてこの仕事をしているのか。
子供の為に“普通”になろうとしていたのに、子供との時間を取れないこの生活に意味はあるのか。
そう考えると、もうそこにいる意味はありませんでした。私は在宅ワークとのWワークで働いていて、在宅だけの収入だと月12万程度ありました。
贅沢をしなければ生きていける額でしたし、日中仕事が出来るとなれば、もう少し収入は増える。
私は自営業で生きていく決心をします。
近所からの偏見
在宅ワークで保育園に入れる為には、民生委員からの認定が必要でした。
地元の民生委員と話し、仕事状況を見せる事で“第三者から働いている事を認めてもらう”という書類。
民生委員の方は、私を怪訝な様子でアレコレ尋ねます。
「仕事は今まで何してたの?」
「何でやめたの?母子家庭なのに」
「どうして母子家庭になったの?」
しまいには「どうせ彼氏に貢いでもらってるんでしょ。だから嫌なんだよ母子家庭は。こんな書類、必要なくなるんだから。」という一言。
この時すでに、この土地の母子家庭という偏見を痛い程分かっていた私は「それでもこの道を選ぶしかない」のだという思いで、相手の刺す様な言葉を呑み込んだのです。
他方からの偏見
日中から家にいる私の姿を、近所の人が見かける度に
「仕事は?辞めたの?」「在宅ワーク、なにそれ」という会話になります。
当時、SOHO、在宅ワークという言葉が出始めた矢先でしたから、片田舎のこの土地には、それを理解してくれる人はいません。
ある時友人から電話がかかってきて「あんた何やってんの!?」と怒られました。
話しを聞くと、どうやら私の事が噂になっており
「あの地区のあの人、昼間家にいて夜の仕事している。母子家庭だから男に頼ってるんだ」
という話が出ていると聞かされました。
そうでない事を友人に説明し、その友人は分かってくれましたが、そうした噂に振り回され、私から離れていった友人もいた事は事実。
けれど、そうした事実から私は「私の事を分かってくれる人が、周りにいてくれればそれで良い」と開き直りました。
部屋が借りられない…!
在宅ワークも多忙を極め、部屋の一室では足りない様になってきました。それでも、外で働いていた頃と比べ、子供と過ごす時間は潤沢にあります。
そろそろ事務所を借り従業員を雇いたい…と思い、まずは物件を探す事に。しかしここでまた、ひとつのハードルにぶち当たりました。
私に事務所を貸してくれる大家さんがいないのです。
正しくは「SOHO(在宅ワーク)で、社長が母子家庭の会社に部屋は貸さない」という事。これには驚きました。
せまい片田舎ですから、私の悪い噂がまだ残っていたのかもしれません。税金も払いその辺の男性よりも収入があった私。
収入証明を出そうが、納税の証書を出そうが、そんなことは関係ない様子です。
「スモールオフィス?在宅?なんでそんな信用出来ない仕事。しかも母子家庭でしょ。貸せない」という結論。
ある大家さんは、契約までした後に「あんた母子家庭なの!?この話は無し無し!」と、断られました。
どうして無しなのか、家賃も前家賃で6か月分入れたのにと聞くと
「金の問題じゃないんだよ。母子家庭ってのは、母親に問題があったから別れたんだろ?そんな人に貸せないよ~」
と鼻で笑われてしましました。
私なりの結論は引っ越しだった
現在、私はその土地を離れもう少し都会の政令指定都市に住んでいます。
ここでは、私の仕事にとやかく言う人はいません。
部屋を借りる時、前の経験から「在宅なんですけど…」とおそるおそる言うと「そうですか。」というあっさりとした返答。
子どもの学校も、大家さんも、近所の人もとても親切にしてくれます。
「田舎は親切、都会は冷たい」というパブリックイメージが、見事に崩れ去りました。
母子家庭で頑張るお母さん方に私は言いたい。私達は、どこへでも行けます。
もし、私の様に思い悩んでいる人がいるのであれば、引っ越しを考えてみて下さい。きっと、今よりつらい事はありません。
子供の事を考え、引っ越しとなると気が引けてしまいますが、まずは私達が笑顔で居られる事が子供の為。
偏見から逃れるには、土地ごとまるっと変えてしまうという手段もあるという事を、忘れないで下さい。