あなたは今、お子さんがいるのに、離婚を考えていませんか?
でも、もし離婚したら、「親権」はどうなるのだろうか?と、お悩みの方もいらっしゃると思います。
私も、離婚が目の前に迫った時、一番に心配したのは、親権のことでした。
どうすれば親権を得られるのか?
そして、聞きなれない「監護権」、「面会交流権」とは何なのか?
実際に離婚に至らないと、分からないことばかりです。
そこで今回は、「離婚時に、親権は絶対に譲れない!」とお考えの方の為に、私の実体験を交えながらお話しします。
親権争いという悩みを解決して、離婚後も、お子様と一緒に過ごせる方法についてです。
親権とは?
「親権」とは、どういう事かと言いますと、「未成年の子を監護、教育して、その財産の管理を行う権利、義務」のことです。
例えば、親権者は、子供の身の回りの世話をする人である。というのは、皆さんすぐに思いつくことかと思います。
他にも、子供に教育を受けさせ、日々のしつけを行い、そのお金の管理をする。そして、子供がアルバイトできるような年齢になれば、その仕事に許可を与えるというのも、親権者が行える権利です。
婚姻期間中は父母ともに、その親権を持っています(共同親権)。
でも、離婚となると、どちらか片方の親が親権者になることになります。
実は【離婚届】に、この親権者を記入する必要があるので、「とりあえず」といった曖昧な状況では、離婚することすらできません。
話し合いが未解決なのに、「仮に」と離婚届に親権者を記入してしまったら、後から変更するには、家庭裁判所の許可をとらなくてはなりません。面倒な手続きが必要になりますので、ここは慎重に決めましょうね。
※ちなみに、子供が20才以上の時や、未成年でも結婚していると「成人」とみなされるので、親権を決めなくても大丈夫です。
我が家の親権が決まるまで
私の離婚時のことです。ひやりとしつつも、私は無事に親権を獲得できました。
そんな実体験のお話を、一つしますね。
当時、生まれたばかりの0歳児と、2歳、5歳の男の子がいました。
親権のことだけに限定して言いますと、夫はその当時、浮気相手の愛人に夢中で、わが子に興味はありませんでした。そのため、離婚についての話し合いの時、親権についてはすんなり、妻の私が持ってよいと承知してくれました。
ただ、当時、私たち夫婦と同居していて、隠居の身であった義父母が「長男は置いていけ」というようなことを、横から言い出しました。「女一人で、子供3人を育てるのは大変だろう。●●(夫)に稼ぎはあるし、自分たちが家に常時いるし、一人くらいこっちで育てられるから」と言うのです。
冗談じゃない!
私は思いました。
そもそも、離婚に至ったのも夫が原因です。夫が家族より、愛人を選んだのです。
それなのに、自分がお腹を痛めて産んだ子供たちを、他の女性にうつつを抜かしている夫に渡せるでしょうか?いえ、絶対に考えられません。
しかし、一抹の不安がありました。事実として、その時、専業主婦だった私には収入がありませんでした。そして、引っ越し先の決まらない私より、夫側につけば、いま住んでいる家から子供が引っ越さずに済みます。同居している義父母に子供はなついていて、その義父母も子育てに協力的です。
更には、長男の小学校入学も、もう目前でした。
総合的に考えて、裁判で本気で争ったら負けるのではないかしら?と、私は不安でした。
そこで私は、義父母が、優しい夫の情に訴えて、これ以上の泣き落としをかけないよう、早々に夫婦で公証役場に行きました。そこで、「子供3人の親権は妻のものとする」という公正証書を作ったのです。
そのことを後から知った義父母は、地団駄を踏みましたが、後の祭りです。おかげで私は、離婚後も子供と一緒にいられると保証され、ようやく安心することができました。
監護権を得て、子供と一緒に過ごす方法
【 監護権とは 】
親権の中の「身上監護権」のことを指します。
親権は「財産管理権」と、「身上監護権」の2つから成り立っています。
親権とは違い、財産の管理はできませんが、子供と一緒に暮らし、身の回りの世話をすることができる権利です。
いざ離婚となった時。夫婦の中の、妻だけ、あるいは夫だけが、親権を希望すれば、話はスムーズです。
しかし、ご夫婦共に親権を主張し、争ったらどうなるでしょうか?そうなのです。いつでもすんなり、希望する人が親権をとれるわけではありません。
子供が10歳未満とまだ幼いと、裁判になったとしても8割方、母親が親権者になるそうです。
現代では、男性の主夫も増えてきているとは言え、子供のお世話は、多くのご家庭で「母親」が担っている割合が多いのでしょう。また、三歳児神話を代表するように、幼児期の情緒の発達には、母親の手元で育てた方が良いという考え方もあります。
それを覆しても、「親権は自分が」と主張する夫がいたとします。
妻のあなたがもし、【子供と一緒にいたい】ということが大事であるなら、親権にこだわらず、「監護権」を主張し、監護者になってみてはいかがでしょうか?
親権をとれなくても、子供と共に生活することが出来ます。
親権者(例えば夫)が、子供の財産の管理をし、監護者(例えば妻)が、子供の世話をする。こんな離婚後の形もあるのです。
また、そのメリットとしては、離れて暮らすと、滞りがちになってしまう養育費についても、親権を夫に残すことにより、養育費不払いの抑止力とすることができます。
※注意点※
親権と監護権を分けた場合、監護者からすると、子供にトラブル等あった時に、親権者に連絡を取る必要が出てくる場合があります。その為、親権者と監護者が、コミュニケーションを取れる状態にあることは最低条件です。
ただ、仲の良かったご夫婦が、対極にある「離婚」に至る訳です。中には二度と、離婚後には顔を合わせたくない、声も聞きたくない、というご夫婦もいらっしゃるかもしれません。
そこまでとなると、非常時に協力することや、信頼関係も築けませんから、親権と監護権を二分化するのは難しいかと思います。
面会交流権
【 面会交流権とは 】
離婚後に生活を別にする、親と子供の交流を定める権利のことです。
親権について、夫婦での話し合いに失敗して、親権・監護権の両方を失ってしまったあなた。
でもまだ、嘆くことはありません。
親権は持たずとも、親子であることには変わりありません。そして、そこまでお子様に愛情を持ってらっしゃる方ならば、【面会交流】という方法で、離婚後もお子様と過ごすことができます。
面会交流は、子供が健やかに成長していく上で、離れて暮らす親との交流も必要なものとして、法律で定められています。これは、離れて暮らす親の権利でもあり、子供の為の権利でもあります。
まずは離婚の話し合いの時に、面会の頻度や、連絡方法を決めましょう。
我が家の面会交流
我が家では、子供が幼いころは、私が事前に、子供たちに「お父さんと行きたい場所」を確認。後は大人同士で、面会交流の日時を取り決めていました。日時を決めたら、当日、待ち合わせ場所まで、私が子供たちを送り、帰る時刻になると、待ち合わせ場所まで迎えに行くという形です。
子供たちは、お父さんが大好きです。遊園地等に一緒に遊びに行く以外にも、学校の発表会や運動会、入学式や卒業式などの行事も、お父さんに来てほしいと言うので、私から声掛けをします。すべては無理ですが、都合が合えば時折来てくれています。
今や長男は中学生になり、自分で父親に連絡を取れるようになりました。
離れて住んでいても、両親に愛されているという根幹は、子供にとって必要不可欠なことだと思いますので、今でもこうして、父子が仲良く過ごせていることが、子供にとって何よりなことだと思っています。
離婚後も親子は親子
いかがだったでしょうか?
今回、親権と監護権、そして面会交流権についてお話しました。
親権を得るには、まずは夫婦で話し合いをしましょう。そして次に、お互いに譲れないとなったら、「親権・監護権」を、夫婦で分けて持つ方法があります。
また、離婚後、どちらも持てず、子供と離れて暮らすことになってしまった場合にも、「面会交流」という形で、大事なお子様と、コミュニケーションをとっていくことができます。
離婚が、子供との永遠の別れではありません。
子供が大事だからこそ、親権の事に悩んでいらっしゃる皆さん。是非参考にしてみてくださいね。