セックスレス。
「特別な理由なく1か月以上性交渉がないカップル」
「カップルのうちどちらかが性交渉を望んでいるのに叶わない期間が長いカップル」
日本ではこれらをセックスレスの定義とし、今や夫婦間における大きな問題の1つです。
そしてセックスレスにより、夫婦間の気持ちのすれ違いや子供を授かるタイミングがないこと、浮気や不倫をしてしまうなどの様々な悪影響を及ぼし、結果、離婚してしまう夫婦も少なくありません。
では、一体なぜセックスレスに陥ってしまうのでしょうか。
そして改善し、離婚を回避するためにはどのようにしたら良いのでしょうか。
今回は悩んでいても他人には話し辛い、夫婦間のセックスレスについてお話していきます。
【この記事の目次】
セックスレスの原因
その1.夫または妻による拒否
付き合っていた頃は、お互いの気持ちが高まれば自然に始まっていたセックス。
ですが結婚し特に子供が生まれると、自然に始まるムードをなかなか作ることができません。
いくら夫婦とは言え、セックスに誘うのは勇気がいるもの。
恥じらいながらも努力してムードを作ろうとしているのに、パートナーに拒否されてしまうと精神的に傷ついてしまいます。
疲れていたり、そういう気分になれない日はもちろんあるでしょう。
しかしそんな時、「無理」「嫌だ」「触らないで」
このように突き放す言い方をしてしまうと、傷つくのが怖くて誘うこと自体出来なくなってしまうのです。
実は、日本の民法や裁判では「正当な理由なくセックスを拒否し続けてはならない」と言われ、夫婦間のセックスを重要視しています。
行為を拒否したからと言って刑事罰を受けることはありませんが、自分が拒否していた側である場合、離婚裁判時に不利になる可能性があることを覚えておきましょう。
その2.産後のセックスレス
女性は、出産後セックスをしたくなくなる人が多いと言います。
一番大きな要因は出産後のホルモンバランスによる影響です。
女性は出産をすると「プロラクチン」という母乳を出すためのホルモンが増加します。
この「プロラクチン」が卵巣機能を抑えてしまい、自動的に性欲を減退させてしまうのです。
その他にも、会蔭切開の傷口の痛みはないか、せっかく寝かしつけた子供が起きてしまわないか。こんな不安からも、したい気持ちが湧きにくくなってしまいます。
このように、産後のセックスレスの問題は女性にばかり原因があるように思われがちですが、実は男性側にもあるのです。
多いのが、立ち合い出産をしたことで女性の性に恐怖心を持ってしまい、できなくなってしまうケース。
また、出産は男性が体験すると死んでしまうかもしれないと言われるほど壮絶なもの。
女性にとっては何だか腹立たしいことですが、その姿を目の当たりにし、以前とは妻を見る目が変わってしまったなんて男性も多いようです。
その3.お互いを男性・女性として見られなくなった
仕方のないことなのかもしれませんが、夫婦になってからの時間が長くなればなるほどときめくこともなくなり、以前のようにパートナーを男性、女性として見られずに「性欲が湧かない」と言った原因があるようです。
ただえさえ、気持ちがこのようになりがちな上、お互い出会った頃と比べて、見た目の変化はどうでしょうか。
以前より太ってしまったり、服装や化粧など見た目に気を使わなくなってしまったり…。
また子供がいる場合、夫の目の前で何の恥じらいもなく授乳していたり、お風呂上りにいくら子供の世話があるからと言って、裸や下着姿のまま部屋をうろうろしたりしていませんか?
このような姿を見て、ときめかないどころかパートナーを生理的に受けつけなくなってしまうこともあるそうです。
自然体でいられることは大切ですが、パートナーに魅力を感じてもらう努力を怠るのとは違いますよ!
その4.いつも疲れていて面倒くさい
家事や育児、仕事に追われ毎日疲れ切っている方。セックスどころじゃありませんよね。
近頃、このように男女ともに肉体的にも精神的にも疲弊していて、セックスが面倒になっている人が増えているようです。
そして、男性の仕事の疲労とセックスの関係について、このようなデータがありました。
一般社団法人日本家族計画協会の家族計画研究センター所長で産婦人科医の北村邦夫氏の調査(2008年)によると、セックスレスの男性は63%が週49時間以上働いており、セックスレスでない男性の49%と有意な差があった。一般に、週60時間以上の労働は“過労死ライン”と呼ばれるが、49時間は“セックスレスライン”と言えるかもしれない。
やはり疲労とセックスレスには強い関連性があるようですね。
昔、男性の性欲は疲れている時ほど増すと言われていました。
なぜなら仕事中にアドレナリンが分泌され脳が興奮状態になる為、また睡眠不足や疲労時はホルモンバランスが乱れやすく、性欲のコントロールも乱れる為だそうです。
しかし現代人は、働きすぎるせいか「疲労=性欲の減退」に繋がってしまうようです。
その5.性機能の低下
今や生活習慣病の一つとも言われる男性のED(勃起不全)は、実に成人男性の3人に1人に表れているそうです。
加齢によるもの、セックスに対するストレスやプレッシャーによるもの、抗うつ剤や降圧剤などの服用による副作用によるものなど、原因は様々です。
また、EDを自覚してしまうとそれもまたストレスとなり、症状を悪化させていきます。
それから男女ともに、人間の三大欲求であるはずの「性欲」が全く湧かなくなってしまうことがあります。
この性欲に密接に関係していると言われるのが、運動不足です。
忙しい現代人は、毎日会社と自宅の往復ばかりで、運動をする習慣がある人が非常に少なくなっています。
体力の低下は性機能も低下させてしまい、結果セックスレスに繋がってしまいます。
特に男性の子作りの適齢期である、30代の性欲・体力減退の問題は深刻化しており、体力がなくセックスを最後まで行えないといったことも多くあるようです。
セックスレスの対処法
その1.コミュニケーション・スキンシップを取る
セックスレスに陥る夫婦の多くが、普段から業務連絡のような会話しかしていなかったり、キスやハグはおろか、体に触れるという行為すらしていないと言います。
最後にくだらない話で2人で笑い合ったのはいつですか?
肩をもんだり、マッサージをしたりというスキンシップを取っていますか?
積極的にコミュニケーションやスキンシップを取ってみると、関係がマンネリ化していたパートナーに対して、きっと新鮮な気持ちが蘇ってきますよ。
その2.デートしてみる
夫婦でのお出かけと言えば、子供を連れてのレジャーや買い物程度。
2人きりで出かける機会なんてありませんし、積極的に作ろうとも思いませんよね。
そこで数時間でも子供を預けて、二人きりで少しおめかししてデートしてみませんか?
映画や美術館、レストランで食事など、結婚前を思い出して当時の熱い気持ちが戻ってくるかもしれません。
この少しおめかしというのもお互いを惚れ直させ、性欲をかき立てるポイントですよ!
その3.運動をする習慣をつける
1日10分~15分程度からでかまいません。
適度な運動は性欲に働きかけるだけではなくリフレッシュやストレス解消になり、逆に疲労回復を促すことができます。
ジョギングや筋トレなど、激しい運動が難しい方は、お風呂上がりのストレッチやヨガなどでも十分です。
夫婦2人で取り組めば、自然にスキンシップも取れより効果的かもしれませんね。
終わりに…
いかがでしたでしょうか。
よく聞くセックスレスの解消法の1つに「夫婦で向き合って話し合う事」というのがありますが、私の個人的な意見だとセックスレスの完全な解消は難しいように思います。
なぜなら、話し合うことでお互いの中でセックスが義務のようになってしまい、心から楽しむといったような内容には到底ならないと思うからです。
それに頻度や回数を決めてしまうことで、セックスが余計プレッシャーになったりストレスになって、性欲が湧かないのでは…と思うのです。
ですから即効性はなくても、お互いの気持ちが高まり、自然な流れでセックスを再開させるにはやはり上記のような2人の距離を縮めることがまず大切だと思いませんか?
そして、お互い心から求め合えるセックスができることで、浮気や不倫の防止にもきっと繋がりますよね。
セックスのない期間が長引いても焦らず、まずは今日からでもできる、たくさん会話することから始めてみましょう。