離婚には様々な理由があると思いますが、パートナーが憎くて憎くて心の底から大嫌いになり、別れた人も少なくないでしょう。
ですがそんな元夫でも一時は心から愛し、その愛の結晶として生まれた、愛する我が子。
離婚後、無事親権を手に入れ、子供との平和な生活を送っていた矢先に、たまに感じる違和感や不快感。
「この子。あの人に似ている…。」
イライラしている時や、気分が落ち込んでいる時にその事に気付くと、とても悔しいような、やるせない気持ちに駆られたことがある方はいませんか?
私が別れた元夫はモラハラとDVをする最低な人でした。
今でも夢に出てきますし、思い出そうとすると嫌なエピソードばかりが思い出されます。
離婚当時、4歳だった娘はもうすぐ中学生。思春期になり、現在はプチ反抗期に入っています。
そんな中、たまに娘のとる態度が、夫と被ることがあるのです。
そのように感じる時、無条件で愛しているはずの娘に嫌悪感を抱き、そんな感情を抱いた自分が嫌で嫌でたまらなくなります。
今回お話する内容は、お子さんがいる離婚経験のあるみなさん全員には、当てはまらない内容かもしれません。
ですが、私と同様のことで悩んでいる方も多くいるはず。
この記事を通して「この事実をどう受け入れるか?」考えていきましょう。
【この記事の目次】
「別れた夫に子供が似ている」ことが動機の殺人事件
2017年10月、オーストラリアで3歳の息子を殺害した罪で、母親に懲役33年以上が言い渡されました。
同じく殺害に関与した義父にも、懲役30年以上が課せられています。
事件の起きた時期は報道されていませんが、その悲しい事件の動機は、
「別れた夫に似ているから。子供を愛していたが、憎む気持ちもあった。」
だそう。
こんな事件は絶対に許されるはずがありません。
子供には何の罪もないのですから…。
判事は、
「容疑者の母親は、子供を育てる中で父親の罪が子供にあるかのように錯覚し、拷問を続けた。」
と語っています。
この事件を知った時、私はこの母親を1ミリも肯定する気はありませんが、この母親の感じた気持ちだけは理解してしまったのです。
私が感じた元夫のDNA
冒頭でお話した、娘のプチ反抗期。
「うるさいなー。」
「もーあっち行って。」
程度は日常茶飯事ですが、仕方がないと受け入れています。
自分も娘と同じ中学生の頃は、母親に対しての口答えなどが酷かった自覚がありますから。
それに普段は明るく、私の言う事も素直に聞き、お手伝いも自分から進んでしてくれるような心優しい娘です。
ですが数か月に1度、娘は爆発します。
きっかけは、本当に些細なことです。
やるべきことをしなかったために、私に叱られ、見たいテレビが見られなかったり、ゲームを制限されたり。
欲求を満たしたい彼女は、一度は私と話し合いの場を持ちますが、それでも私がYESの返事をしないと…。
時に彼女はだんだん自分の気持ちのコントロールが利かなくなり、大声を上げて私を突き飛ばしたり、髪の毛を引っ張ったり、力で解決しようとします。
はさみを持ち出して、脅してくることもありました。
女の子でまだ小学生ですが、身長も体重も小柄な成人女性と変わらないくらいの今、暴走している時の彼女を力で止めることはできません。
そんな風に暴力を奮う彼女に、単なる家庭内暴力とは違う、DNAのようなものを感じずにはいられないのです。
私が元夫から受けたDVとの共通点
私の元夫は、自分の思い通りにいかないことがあると、暴力で解決しようとする人でした。
大声を上げ私が恐怖で動けなくなると、殴る蹴るなどし、髪の毛を持って部屋中引きずり回しました。
離婚当時、まだ娘は4歳になったばかり。DVは娘の目の前でも当然のように行われていました。
娘は、「怖かった。泣いていた。」など、その時の自分の感情や、父親の奮う暴力を所々覚えている程度です。
ですから、娘は決して父親の真似をしているわけではありません。
それなのに、娘からの暴力に受け身を取りながら、私はいつもデジャヴを感じてしまいます。
なぜなら、その暴力に手加減や躊躇といったようなものが一切感じられないからです。
それがあの元夫の暴力と酷似しているのです。
そんなことを考えてはいけないと思えば思うほどそう思えてしまい、夫に対しての憎しみが娘に被り、嫌悪感さえ抱きかけます。
その醜い感情を私は必死に振り払い、娘が落ち着いて和解した後に決まって自己嫌悪に陥るのです。
言ってはいけないことを言ってしまった
一度、私は娘に対し、
「そのやり方、その顔、あのパパと全く同じだよ!思い通りにいかないことを力で解決しようとするところがそっくり!」
と、思わず言ってしまったことがあります。
すると、娘はボロボロと涙を流し、
「そんなの知らないよ!そんなの覚えてないし、好きでパパの血が入ってるわけじゃないんだ!ママが生んだんだろ!」
と訴えたのです。
その通りです。
娘の人生はすでに、元夫と別れてからの期間の方が長いのに…。
そして娘の気持ちを汲み取れず、暴力に走らざるを得ない状況に追い込んだのは私なのに、その原因の全てが元夫にあるかのように錯覚し、娘もそれを受け継いだ同類だと決めつけたのですから。
オーストラリアの事件の、
「容疑者の母親は、子供を育てる中で父親の罪が子供にあるかのように錯覚し、拷問を続けた。」
と、まるで同じだったのです。
私がどのように乗り越えようとしているか
私の身に起きたこの問題は、この記事を書いている現在も続いています。
前回起こった時は自分の中で必死に振り払いましたが、やはり分かっていても前の夫が頭に浮かんで娘の行動と重ねてしまいました。
そう思ってしまう感情を無くすことはできないと思います。
そう思ってしまうことを受け入れて、その上で自分なりに解決法や消化法を見つけるしかないのだと私は思います。
娘を愛する気持ちは変わりませんし、今はどうやって暴力を止めるか、反抗心をなくすかではなく、娘がヒートアップしそうになった時にどのように彼女のイライラをコントロールするべきか、その対処法に重点を置いて、模索しています。
元夫と子供が似てきても…子供には一切罪はない
子連れ離婚後、このように元夫の影を、我が子に見てしまうことを悩む方は少なくありません。
きっと自分も含めて、元夫に対する憎しみや怒りの感情が、未だ自分の中で消化しきれていないのでしょう。
「元夫があんな人じゃなかったら良かったのに」など、何かと元夫との離婚に結び付けていませんか。
でもこれって憎しみより、ある種の未練のような感情に近いと思いませんか。
顔や体質が似てしまうのは当然あると思います。
ですが性格や態度に関しては、子供が元夫に似ているのではないかもしれません。
もしかしたら自分にとって都合の悪いことを、子供を元夫に当てはめることで責任転嫁をし、都合よく消化しようとしているだけではないかと、私は思うのです。
母親が、自分の身勝手な感情に振り回されてしまうことを「やめましょう」とは言えません。私自身出来ないでいるのですから。
ですが、その感情を子供にぶつけることは絶対にしないように努力しましょう。
なぜなら、子供には一切罪はありません。愛する母親の身勝手な理由で、自分が嫌悪されていることを知った子供が可哀想で仕方がありません。
それが私が考える元夫と似ている子供との付き合い方です。
ネットからたどり着きました。
同じ問題の解決方法…それをずっと探しています。
綺麗事を並べても無理なものは無理。
それで良いのではないかと思います。
DNAは間違いなく入っています。
良い母親でいようとしていましたが、やめました。子供が傷つく方がなぜいけないのですか?
そこから学べば良いのだと思います。
良い母親であろうとすればするほど、自分で責任を感じるでしょう。
無条件で愛せないことで自分自身を責めるでしょう。
でも、嫌になるのは当たり前なんだと思います。そもそもそれが元夫でなくても母親自身が嫌な目にあっているのだから。
その感情に目を背けては、解決方法など見つからないのではないか。そう思います。