子供を持つ女性が離婚を考える際、頭をよぎるのは今後の生活についてです。
共働き家庭も増えていますが、子供を持つ女性の就業率は52%。その内正社員雇用で働く人はたったの8%。
離婚しシングルマザーとして、一人で働きながら子供の生活を支えるのは、大変厳しい道だと言えます。
また、夫も非正規雇用で働く世帯も以前より増え、離婚時に慰謝料や養育費が貰えないケースも多いそうです。
私は、元夫のDVが原因で過去に子連れ離婚を経験しました。
その際の取り決めで、相手が養育費などは一切支払わないことを条件に、離婚の承諾と親権の放棄をしてくれたので、無事離婚することができましたが、それからの数年間の生活は本当に厳しく、毎日のように脳裏にお金のことがよぎっていたくらいです。
しかし、それでも何とか生活を保っていけた背景には、行政による数々の支援制度があったからだと思います。
その制度には条件がありますし、自分で申請しなければ受けられないので、自分が条件に当てはまるのか、調べて知る必要があります。
今回は、シングルマザー貧困の実態と、受けられる支援制度や割引手当など、生活を助けてくれる様々な制度についてお話していきます。
何故、シングルマザーは貧困に陥るのか
厚生労働省がまとめた「各種世帯の所得等の状況」によると、平成24年の貧困ライン(等価可処分所得の中央値の半分)は年収122万円。これを月収に換算すると約10.4万円になります。
この貧困ラインにいる割合が子どものいる現役世帯で15.1%なのに対し、ひとり親世帯では54.6%(そのうちの約9割が母子世帯)。この数字を裏付けるように、生活意識の調査では母子世帯の84.8%が生活苦を訴えています。
出典: press.mamamoi.jp
このように、シングルマザーの大半の生活が、常に厳しい状況に置かれていると言えます。
しかしそれを回避する為、世帯収入を上げるのに正社員として働きたいと希望しますが、母子家庭ではまずその就職活動でつまずいてしまいます。
かろうじて働くことができてもパートやアルバイト。しかもそれもすぐには決まらないでしょう。
私の住んでいる地域には「マザーズハローワーク」と呼ばれる、子育てをしている女性向けの求人が多く集まる施設がありました。
平成29年7月の時点で全国に21か所、通常のハローワーク内に設置されているマザーズコーナーは173か所あるそうです。
そこなら就職しやすいのでは…と行ってみましたが、子育て女性が確かに働きやすい職種は多かったのですが、シングルマザーとなると話は別の企業が多いのが現実でした。
例え面接にありつけても、何か所も不採用。
正社員はおろかどんどん希望や条件を下げて、結局ありがたく採用してくれたのは、自宅から1時間離れた会社の受付兼事務のパートでした。
時給は1000円、週5日働いても手取りは13万を切るほどです。
1DK家賃6万円の子供と私の2人暮らしでは、毎月生活するのがやっと。習い事をさせてあげたり旅行に行ったりするような余裕はありませんでした。
このようにシングルマザーは思うような収入が得られない為、貧困に陥ってしまうのです。
では、積極的に働かなくてはならないシングルマザーが、思うように就職できないのでしょうか。
その1.就業時間や場所に限りがある
シングルマザーは、夜は子供の世話をしなくてはなりません。
特に小さいお子さんの場合は、保育園や学童などのお迎え時間も決まっています。
ですから働ける時間が限られてしまいますし、残業もできないので、正社員として働くことは難しいと感じる会社が多いでしょう。
それに長い時間就労する為には、通勤時間をより短くすることが理想なので、働けるエリアも絞られ、その分求人数も限られてしまいます。
私は7年前の東北地方太平洋沖地震の際、職場にいました。
当時保育園にいた娘がとても心配でしたが、交通機関もストップ。また回線が繋がりにくく、保育園や実家にもなかなか連絡がつきませんでした。
…結局数時間歩いて、娘に会えたのは夜遅く。
この時、シングルマザーは子供と離れた場所で働いていては、いざという時に守れないことを痛感しました。
そういう事を考慮しても、やはり働けるエリアは限られてしまうでしょう。
子供の急な病気やケガで出勤できない
子供の急な発熱やケガで、どうしても仕事を休まなくてはいけなくなることが年に数回は訪れるでしょう。さらにインフルエンザや感染症の場合、看護していた自分も感染して、倍の期間お休みしなくてはならない事も…。
近くに子供を預かってくれる実家や、病児保育の施設がない場合、会社としてもなかなか正社員採用に踏み切れないのだと思います。
資格やスキルがない
私は若くして1度目の結婚をしたので、正社員として働いた経験がなく、パソコンも独学でワードやエクセルが少し扱える程度、資格も普通自動車運転免許しかありませんでした。
こういった事から、事務職にしても経験者が優遇されますし、非常に厳しい就職活動になりました。
また、専業主婦期間が長かったシングルマザーの場合も社会復帰までのブランクがありすぎる不安から、面接時に自分をうまくアピールできなかったり、また就職活動自体を積極的に行えなかったりする場合もあるでしょう。
シングルマザーが受けられる支援制度
上記のように、シングルマザーの就職はとても厳しい道だという事が分かりました。でも日々の生活は少しも待ってはくれません。
ここからは、思うように収入が得られない中で、少しでも生活を助けてくれる制度をご紹介します。
各制度は各地域で支給額や内容が変わっていますので、ご紹介することを参考にご自分の自治体の制度を調べてみてくださいね。
児童手当
これは、シングルマザーに限らず、子を持つ全家庭が受け取れる国からの手当てです。
国内に住所がある0~15歳までの子供に年3回、数か月分がまとめて振り込まれる仕組みです。
児童扶養手当
こちらも国が行っている制度ですが、対象者は0~18歳までの子供を持つ母子・父子家庭に限定されます。扶養人数や所得によって「全額」「一部」「不支給」に分かれ、対象者には年3回、数か月分がまとめて振り込まれます。
特別児童扶養手当・障害児福祉手当
所得制限や等級制限がありますが、20歳未満の子供に精神や身体に障害がある場合、申請し条件を満たしていれば、こちらの手当てを受給できるようです。
母子・父子家庭の住宅手当
こちらは市区町村独自の制度で、行っていない地域もあります(私の住んでいた地域もありませんでした)。
条件も地域によって異なりますが、
・20歳未満の子を持つ母子・父子家庭
・民間のアパートに居住している
・申請先の住所に半年以上居住している
・前年度所得が児童扶養手当の所得制限限度額に満たない
・生活保護を受けていない
このような条件を設けている所が多いようです。
児童育成手当
18歳未満の子供を持つ母子・父子家庭に市区町村から支払われる手当です。
こちらも所得・受給制限が地域によって異なります。
ひとり親家庭の医療費助成制度
母子・父子家庭を対象に、保護者と0~18歳までの子供に医療費の自己負担分を一部または全額助成してくれる制度です。
所得制限があり、こちらも各市区町村により助成内容が異なります。
こども医療費助成
先ほどのひとり親家庭の医療費助成制度を所得制限により受けられない場合、こちらの制度が該当する場合があるようです。
こちらは親に対する助成はありませんが、子供にかかる負担金の一部が助成されます。
生活保護
・援助してくれる身内がいない
・資産が一切ない
・やむを得ない事情で働けない
・月の収入が、最低生活費を下回る
以上のような条件を満たしている場合、シングルマザーも生活保護受給の対象になります。
本当に困っている場合は相談してみましょう。
シングルマザーが受けられる減免・割引などの手当
保育料の免除や減額
子供の年齢と所得や税金額により、子供を保育園に預ける際の保育料が免除または減額になります。働いているシングルマザーは所得が低い場合が多いので、私もそうでしたが、こちらの手当てを受けられている方が多いようです。
寡婦控除
離婚や死別などで夫と離れ、再婚していない女性が受けられる所得控除で、満たしている条件によっては、特別寡婦控除が受けられます。
国民健康保険料・国民年金料の免除
母子・父子家庭に限りませんが、所得が少なく支払う事が難しい場合、その金額が減額・免除される場合があります。
各市町村によって細かい条件は異なります。
電車・バスの運賃割引
児童育成手当を受け取っていると、これもお住いの地域によって異なりますが、都内を例に挙げますと、JRの通勤定期が3割引きになったり、都営交通の全区間無料乗車券が発行されるようです。
粗大ごみの手数料免除・上下水道料金の割引
各市区町村によって詳しい内容は異なりますが、私の住んでいた地域では、指定ゴミ袋も無料になりました。
地味かもしれませんが、毎日の暮らしに関わることですので、この制度を受けられて本当にありがたく思いました。
自立支援教育訓練の給付金
私は、この制度に非常に救われました。
資格もスキルもない私が将来を考え、より収入の良い職に就くためにどうしたら良いのか役所に相談しに行った際に、この制度を紹介してもらいました。
雇用保険から職業訓練給付を受けられない母子・父子家庭の人が条件を満たすと、自立支援のための訓練給付金を、支給してくれます。
そして、私は半年間の職業訓練を受けることを決意したのです。
その甲斐あって事務に関する4つもの資格を取得することができ、自身のステップアップに繋がりました。
終わりに…
長くなりましたが、以上がシングルマザーが該当するであろう、様々な支援制度と減免・割引手当です。
これらは、離婚と同時に自動的に受け取れるものではなく、自分で各窓口を調べ申請しなければなりません。
そして、ありがたくその制度の恩恵を受けることは、少しも恥ずかしいことではありません。
子供と自分自身の生活の向上の為に、是非活用できるところは活用し、母子家庭の困窮の苦しさから少しでも解放されるように役立ててみてください!
母子家庭です
町からの扶養手当て
県からの扶養手当てがあって生活できてる状態です
養育費を払わない元旦那に呆れます
たまには会いたいなんて都合良すぎる
理解不能です
私の病気が治ったらフルタイムで働きます
それまで破産しませぬよう…