「配偶者暴力相談支援センター」の調べによると、平成26年にはその相談件数は10万件を越し、今なおその数は減ることはありません。
そしてその暴力によって深く心に根付いた傷は、仮にパートナーから逃れられたとしても、完全に癒えるには長い時間を要します。
私は出会ってから離婚するまで、実に7年間もの間、元夫からDVを受けてきました。
そして、離婚して今年で8年目。現在は心優しい男性と知り合い再婚もしています。
ですが、今なおその時受けた記憶は消えることがなく、たまに現れては私を苦しめています。
このようにDVによるトラウマに苦しんでいる方は、おそらく何十万人といることでしょう。
…今回は私が感じるDVによるトラウマの症状と、実際に試して効果的だったトラウマ解決方法についてお話します。
DVによるトラウマとは何か?
辛い目に合った時に、DV時の事柄がフラッシュバックしてよみがえったり、パニック障害や睡眠障害を引き起こしたり、いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症してしまうことを最近ではトラウマの一部として認識されています。
DV被害者にPTSDで苦しむ人は非常に多く、DVのように長期的に苦しめられる対人関係が原因の場合C-PTSD(Conbined:複合された)と呼ばれています。
DVをしている方も、一時の後悔はあるかもしれませんが、被害者のトラウマ症状との戦いは数年以上にも及びます。
誰かの心を傷つけるという行為はこれほどまでに残酷なことなのです。
私が発症したトラウマ
トラウマ症状1.被害妄想
DVを受けている間「こうなったのはお前のせいだ」と言われ続けていた私。
そのせいか、離婚調停の時に調停員から少しでも責めるような言い方をされると、反論できずに自分の思いを相手に伝えることができなくなりました。
また、職場での人間関係はおろか、気の置けない旧友との会話の中でも「あの時、こういう言い方をすれば良かった」や「さっきの話、もしかしたらこう思われてしまったかな」など帰宅してからいつも些細な事でも後悔するようになり、人と会話したり接するのがとてもおっくうになります。
メールの返信も、相手に少しでも嫌な印象を与えないようにと、送信前に何度も読み返して言い回しを変えたりするので、とても時間がかかりストレスになりました。
また相手からの返信がない時には「何かいけないことを言ってしまったのではないか」と、返信が来るまでずっとそのことばかりが頭の中を占め、本当にしばらくは被害妄想の塊でしかありませんでした。
トラウマ症状2.DVの描写があると気持ち悪くなる
ドラマや映画などが大好きな私。ホラーやサスペンスといったジャンルも好きで、いわゆる怖いものやグロい描写には耐性がある方だと思っています。
しかし、どうしても男性が女性に対して暴力を奮う描写だけは未だに駄目なんです。
お芝居だ、作り物だと分かっていても、気分が悪くなり絶対に直視できません。
もう元夫から受けた暴力と重ねて観ることはしていないつもりですが、不思議と涙が出てくることすらあります。
あまり自覚がありませんが、これがいわゆるフラッシュバックというものなのでしょうか。
トラウマ症状3.飲酒量が増えた
元々お酒は好きな方でしたが、元夫が毎晩浴びるように飲酒をする為、それが生理的に受け付けず、自宅ではあまり飲酒していませんでした。
なのに離婚後は毎日酔うまで飲酒しないと眠れない体質に…。
飲酒をすると、少し気が大きくなるのか、先述した被害妄想も少し緩和されます。
酔った状態で自然に眠りに落ちないと、あらゆる余計なことを考えてしまい、眠れなくなるのです。
唯一の救いは、私についてきてくれた娘の存在。
彼女を守る為、幸せにする為に私は働いて生きていくことが責任であり、使命なのだと常に思っていました。
ですから彼女がいてくれることで、自尊心の一線を越えることなく過ごせていたのだと思います。
もし独りだったら…お酒に溺れ破滅の道を進んでいたかもしれません。
トラウマ症状4.過呼吸
離婚後、今の夫と出会ってから、私の心はだいぶ穏やかな状態を保てるようになりました。
娘のことも心から大事に考えてくれて、このまま進んでいけば何の心配もなく幸せになれることは頭で分かっています。
しかし時々、突然自分が幸せになることが怖くなり、わざと彼に泣きながら八つ当たりするような態度をとってしまいました。
彼が逆上することは決してありませんが、心の何処かで、私は彼もまた豹変するのではないかと試していたのかもしれません。
八つ当たりした後は自己嫌悪でいっぱいになり、泣きが激しくなるのと同時に呼吸するのが難しく、このまま死ぬのではないかと思うくらい苦しくなりました。
その間彼は優しく背中をさすり続けてくれて、しばらくすると何事もなかったかのようにケロッと治るのですが、再婚前には時々このような情緒不安定になることがあり、夫や娘には随分迷惑をかけてしまいました。
トラウマ症状5.夢に現れる
これも未だに私を悩ませる事象。
現在の私は仮に今後元夫に何をされても2度と屈しない。強く変われたのだと心から思っています。
しかし何の前触れもなく突然夢に元夫が現れて、私に暴力を奮う。シチュエーションは様々なのですが、決まって夢の中の私は過去の私と何も変わらず、諦めてその暴力を受け入れているのです。
結局私は、悔しいことに何も変われていないということなのでしょうか。
それにしても、こんな目覚めの悪い夢はありません。
冬でも寝汗をびっしょりかきながら、まるでドラマのように「はっっ!!」と目覚め、そして隣に寝ている夫や娘の姿を見て、涙が出るほど安堵するのです。
私が考えるトラウマの解決策
トラウマ解決策1.DV後に表れた症状は全てトラウマのせいだと認識する
人間関係が上手くいかない、突然イライラしたりネガティブになる、体調がいつも悪い、挙動不審になってしまう、また自分の中にある醜い部分が剥き出しになることもあるでしょう。
これら全ての症状は自分の性格なんかではありません。DVによる心の傷が生み出した症状なのです。
このように捉えるだけでも、心がずっと楽になると思いませんか。
1人で抱え込まずに、辛い時はカウンセリングなどを受け、第三者に苦しみを打ち明けてみましょう。
トラウマ解決策2.嫌な記憶を書き出し、その中から学べたことを考えてみる
これはまさに、私が今行っている作業と言えます。
嫌な記憶を呼び起こすのは、とても辛いと思いますが、私の場合は書き起こすことによって第三者的な目線で遠くから自分の過去を見つめ直すことができています。
過去には、私が受けたDV体験だけを綴ったこともありますが、それらを通して皆さんにお伝えできることもたくさんありました。(私の書いた記事一覧)
これらは実体験がないとなかなか人に伝えられないものだと思っています。
そう考えると、8年もたったから出来ることなのかもしれませんが、私が受けたDVは100%悲劇だけではなく、自分の成長に活かすことができていると思えるのです。
トラウマ解決策3.恋愛をする
全てのトラウマには当てはまらないと思いますが、DVによるトラウマの場合、恋愛をして過去の男性から受けた嫌な記憶を上塗りするのも良いかもしれません。
実際に私は、ありがたいことに今の夫に出会って心が救われ、トラウマと思われる症状がどんどん軽減していきました。
お前は駄目な奴だと毎日のように罵られ、本当にその通りだと思い込んでいた日々。
それが、今の夫が私を必要としてくれていると思える事によって、自分に自信がつき、以前よりも前向きになれたのです。
先述したように、自分を駄目な人間だと思う事はDVによるトラウマ症状であり、絶対にそんなことはあり得ません!!
まずは怖がらず、他人に心を開くことから始めてみませんか。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
この解決策は、あくまで私が実行してみて実際に楽になったと思われるものです。
人の心に受けた傷の癒し方は人それぞれですし、他にもたくさんあると思います。
どうか無理をして実行しようとなさらずに、ご自身のペースで、あくまで参考程度になさってみて下さいね。
発達障害ですよね?世の中の害になっている、または今の旦那様からも諦められている自分と向き合えていますか?次の犠牲者が出る前に病院に行って下さいね!
DVのトラウマを直そうと、いろいろカウンセリングに行ったんですが、
だいたい女性は話を聞いて面白がり「もっと知りたい」と突っ込んでくるばかりでした。
「出会いは?」「子供は?(いないと言っても何回も聞かれます)」
「殴られるのはどういうとき?どんな感じ?もっと教えて!」
当時体の病気も抱えていたので(背骨の)
カウンセリングで病気の不安を相談しても「旦那さんのことを話しましょう」とかね。
お金を取られて傷ついてDV被害者は好奇心の的にしかならないことを学び、
DVは人には伝えないほうがいいのかなと思い、封印しています。