私が離婚した理由。
その原因は彼のちょっとおかしい金銭感覚でした。ギャンブル、借金、使い込み…
離婚の理由上位に入る「金銭のトラブル」には、私のような人もいるはずです。
【この記事の目次】
元夫との出会い「仕事を一生懸命頑張る人当たりの良い人」だった!でも…
バイト先で知り合った彼。
毎日出勤する彼は、オープンからラストまで身を粉にして働いていました。その姿から「仕事が好きで、まじめな人」という第一印象。
人当たりも良く、周りから好かれるタイプの人間なので、いつも賑やかに過ごすところにも惹かれていったのです。程無くして、彼と私は付き合う事に。
付き合っている頃、彼とはほとんどデートをした事がありませんでした。毎日出勤し、朝から晩まで働く。
帰ったら泥の様に眠ってまた起きて仕事。お店でそのまま寝てしまう事も度々ありました。
そんな彼をみて、生活全部を見ている気でいたし「バイトすれば会えるし、デートするより長く一緒に居られる♪」と、頭の中は完全にお花畑でした。
ギャンブル依存症の片鱗が見えた出来事
付き合って間もなく、私は妊娠をしました。
避妊をしていたので全く予期せぬ事態でしたが、私は命を授かった事がとても嬉しかったし、その時は彼も喜んでくれていると感じていたのです。
その後、同棲を始めた私達。
私は彼の、ある行動に気が付きます。家に帰ってくると、スロットゲームをし始めるのです。
25時頃帰宅し、仕事で疲れてクタクタなのは間違いないのに、帰ってきて初めにゲーム機の電源を入れ、スロットゲームをする。
しかも、オートモードで自分は操作せず、ただジッと画面を見つめている彼。無意味にTVを眺めるおじいちゃんさながら、彼はまわり続けるスロットを、朝の7時まで見ていました。
私はギャンブルはしないので、その意味は理解できません。
「疲れているなら、今日は寝たら?」
「とりあえず寝て、起きたら仕事行くまでやれば良いじゃない」
と声をかけましたが、反応は無し。
無視ではありません。私の声が、聞こえていないのです。
彼が異様なのかもしれないし、スロットが好きな人はそうなのかもしれない。
それは私にはわからない事でした。半分眠りながら、時には寝落ちしながらスロットゲームを“つけたまま”にする光景、しかも毎日休むことなく続けられるその光景は、私の理解の範疇を超えていました。
彼の本性!ギャンブル依存症
ここまでで察しがついたかと思いますが、彼はスロットにハマっていました。
それも、ギャンブル依存といっても過言ではない程、ハマっていたのです。
仕事の合間の休憩に、近くのパチンコ屋へ行ってスロット。
朝起きたら、出勤前に3時間スロット。
帰ってきたらスロットゲーム。
仕事以外の起きている時間は、ほぼスロット。
まさに、寝食惜しんでスロット。
休憩時間を過ぎても帰ってこない時が度々あり「銀行混んでた」と言っていたあの時は、スロットで勝っていて席を立てなかったのでしょう。
「朝仕事行く前にゲームしたら?」という私の声は無意味で、朝起きたら、ゲームなんてする必要は無かったのです。だってパチンコ屋開いてるんだもの。
しかし、ギャンブルするにも元手がいります。そんなにお金が続くのかは、また別の話。
借金100万円発覚!彼の金銭感覚と私の金銭感覚
結婚して間もなく、借金がある事が判明しました。
理由は「前の仕事で事業に失敗したから」と言っていましたが、おそらくギャンブルで出来た借金でしょう。
色々なカード会社から借りたという事で、総額いくらあるか尋ねた所100万との事。
毎月手取り25万振り込まれ、2万を借金返済に充てているという話を聞き、「その額であれば返せない事は無い、私返すから通帳貸して」と、私が財布を握る事に。
彼はバイクにも乗っていましたが、それは主に通勤手段。ガソリン代も考慮し、毎月5万のお小遣いと借金返済を約束した上、彼の通帳をゲットしました。
賢明な皆さんなら、お気付きの事と思いますが、ここまで全く証拠のない「彼の話」なのです。通帳を受け取った私は、これらが全てうそだったことを目の当たりにします。
本当は借金2000万だった!毎月の返済は2万ではなく18万円
給料日。通帳に残されていた残高は7万。色々な所から引きだされた結果、その額になっていました。
結局、借金は2000万あり、話が全く異なっている事に気付きます。
7万では家賃で終わり。「5万のお小遣いなんて到底あげられないよ」と言ったら逆切れ。
「お前、私が返すって言ったじゃないか!だから5万の小遣いで我慢してやったんだよ」と、暴れ出しました。
コイツはなにを言っているんだろう、と頭が真っ白。 手取り25万、返済2万だから、計算して大丈夫だと言ったが、7万では違いすぎる。家賃も知っているでしょう?
と言っても、彼の耳には届かず。不毛な問答より、この先どうするかを考える事にしました。
コツコツ貯めた私の120万円
とりあえず、借金は彼の親に肩代わりしてもらい、私達がコツコツ働いてご両親に返済する事になりました。
私はつわりもひどかったので働ける状態ではありませんでしたが、貯金がありました。
銀行に100万程度、小銭を含めたタンス貯金で20万。趣味は貯金の女でしたが、当時の年齢からしたら、結構な額だと思います。
私は母子家庭で育ち、裕福とは言えない環境ながらもとても幸せでした。
お金は大切であって、きちんと計画的に貯めておかなければと思っていたので、早いうちからコツコツ貯めていました。
だからこそ、彼が湯水のようにお金を消し飛ばしていく姿は、全くと言っていい程理解が出来ません。
ギャンブルはストレス発散なのか。
ストレス発散の為なら、お金はどんどん使っていいのか。
借金してまでやる様な事なのか。
疑問は尽きませんでしたが、それでも私達はお互い理解し合い、助け合いながら生活していかなければいけません。
感性が違うもの同士が一緒になる、それが結婚だと思い、ここまでは割と前向きに考えていました。そう、ここまでは。
私のお金はどこ行った!消えた90万円
つわりがひどくなった私は、2週間程実家に帰る事に。
あまりにも意識が朦朧としていたため、生活費を彼においてくるのを忘れてしまいました。
実家に帰ったその日。
「俺の小遣い…」と彼から電話がかかってきました。しかし、仕事場はまかないが出るので食には困らない。
出張の予定もないから、交通費もいらない。お酒は飲めないから、交際費もいらない。
ギャンブルに使われない様、私は強気に出ます。
「2週間ぐらいなら大丈夫でしょう?義母さんにもお金返さなきゃいけないし」
そういうと彼は バイクのガソリン代が無い と。
歩いて行けない距離では無いので、そうして欲しいと一度は言いましたが、疲れているのも分かっていたので、
「戸棚の上にある貯金箱、あれにね、500円玉入っているから。ガソリン代なら5000円あれば足りるでしょ。ガソリン代に使って良いから。」と言ってしまいました。
消えた500円×400枚!
これがいけなかった。
この貯金箱には、500円貯金をしていて、20万ちょっと入っていました。
夜な夜な数えるのが楽しみで、私がコツコツ貯めた、愛しい500円。
そう考えていたら、何だか急に不安になり、2週間の予定を10日で切り上げ帰宅しました。
玄関を開け、真っ先に視界に飛び込んできたのは、転がった貯金箱。
なぜこんなところに?と思いつつ、感じていた不安を払拭するように貯金箱を拾い上げました。
とても軽く、中身の無い貯金箱。私の不安は的中しました。
同時に「あの男、20万を10日で使いやがった!」と怒りが爆発。
しかし“ガソリン代ね”と言っていたから、そこは信じてあげたい。
というか、信じた自分を信じたい!と思い、どこかに500円がまとまっているのでは…と探し始めました。
引き出し、タンス、アクセサリーケース…ありとあらゆる場所を探して、私はある事に気が付きます。
出産用に用意していたお金が….ない!!!!
消えた10000円×70枚
帰省、引っ越し、出産の為、私は自分の貯金をおろして置いていました。
つわりもひどく、調子の良い時に行っておかないと動けないと思ったからです。
もちろん、彼からはお金が出てくるわけでもないし、給料は借金返済に当てなければいけない。
貯めたお金を使う事に、躊躇はありませんでした。
100万あった貯金から70万おろし、アクセサリーケースの底に包んで入れておきました。
その貯金も無くなっていたのです。私は自分が起き間違えたのではと、必死に探しました。それこそ、家じゅうひっくり返す様に探しましたが出てきません。
10日で消えた 総額90万
彼の帰宅を待って、貯金について聞きました。
穏やかに、笑いながら。そうしないと、また嘘をつかれると思ったからです。
私が必死に貯めたお金。怒るよりなにより、どんな使い方をされたのか知りたいと思いました。
だから、彼が正直に話せるよう、優しく聞いてみました。
「あー500円玉もお札も、使ったよ。ありがとうね」
彼は笑顔で私を見つめました。…が、私の堪忍袋もここまで。
ガソリン代っていったのに、なんでそんなに使うのよ!
どうしたら10日で何十万も使えるの!!
今のガソリン単価いくらよ!ハイオクでもそんなしないわ!!
とまくし立てました。
すると「何十万も無かったよ、せいぜい40万。俺の前に誰かが盗んだんじゃないの?」としらばっくれました。
小銭だけなら20万。でも40万と言った彼は、明らかに総額を知っていました。
ここから先は、もう私から言葉は出ませんでした。もう、何を言っても無駄で、お金は戻ってこないと。
私は、残った貯金30万だけを手に、彼と離婚しました。
感覚の違いは埋める事ができない
世間では「相手を変える事より自分を変える方が何倍もラク」と言います。
人はそれぞれ、自分のものさしを持っており、そのものさしにしたがって、何が常識で何が非常識なのか、物事の善悪を決めています。
自分の“常識”は、他人の“常識”とは限らないのです。夫婦もまた同じ。元は他人ですから、感覚が違います。
また、動物学的に見ても“自分とは全く異なる遺伝子(性格)を持った相手と交配する”そうです。
そう考えると、夫婦となった時点で感覚の違いありき。
私は自分を変える事ができませんでした。
この場合は「彼の借金に寛容になる」「自分もギャンブルにハマってみる」という方向かと思いますが、そのどれもが“常識”的で“当たり前な事”とは思えなかったからです。
でも、それで良かったと思っています。
自分を変える為に時間と労力を使うより、私の時間を子供に使う事ができている今、私は自分の常識を信じて良かったと思っています。